富士山を登る前に必ず読んで欲しい!2019年8月26日発生の富士山落石事故から安全性について考える

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登山を始めよう!

2019年8月26日早朝に、富士登山を行っていたロシア国籍(29歳)の女性が落石によって尊い命を失ってしまいました。

 

女性は日本人の夫と共に富士山頂を目指していた。

 

2019年、富士山の山開き後(夏山シーズン)に発生した死亡事故はこれで3件目。

 

  1. 7月19日 英国籍の女性(50代)が御殿場口八合目付近~悪天候による影響
  2. 8月06日 愛知県の学校教諭(60代)が生徒引率中富士吉田口八合目付近~病死
  3. 8月26日 ロシア籍女性(29歳)が富士吉田口山頂付近~落石

 

ご冥福をお祈り申し上げます。

 

ロシア国籍の女性の死因は「落石」によるものと報道されていますが、「落石」の原因については未だ分かっておりません。

 

また、本当に「落石」だったのかも不明。

 

今回、奇しくも前日に同じルートで富士山へ登っていたことにより、登山道の状況や気候などの情報があるため、

 

改めて人気の富士山登山についてその安全性を考えたいと思います。

 

なお、この事故について、一部の速報ブログではあたかも「三面記事」の様相で扱い、登山道の様子をストリートビューのキャプチャー写真で解説。「山を知らない輩」がPV目的で扱うな!。更に故人の顔写真まで入手し晒そうとしているという、とんでもないサイトがあるので注意!

 

富士山の登山道と事故現場近くの様子

事故現場がどこか明確には分からないため、山頂直下から本八合目までを上から下へ行く順番で登山道の様子を解説します。

 

山開き後まで修復していた崩落個所

登山を知らない輩が、吉田口登山道の山頂直下「久須志神社前の溶岩石の石積み」が崩落(昨年秋の台風による影響)したことを今更話題にしている。

 

この辺りの補修は完全に行われており、落石が起こり得る可能性は非常に低い状況。

 

写真は事故の前日の様子。

 

左側の落石防止ネットがかけられた所が崩れ、狛犬も台座から落ちていたため、山開き後も山頂までは行けなかったが、現在は修復されている。

 

ここから山頂までは石段を登って直ぐ。

 

登山者が歩く石段に落石するような石は無い。

 

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事故現場に最も近い場所

実際に登ってみて、山頂直下の鳥居がある場所で落石が起こる可能性は考えられなかった。

 

事故後の調査でも落石防止ネットが破れていた事実も見つかっていないそうだ。

 

最も確率が高いのは九合目以降の岩場なので、実際の状況を確認してみましょう。

 

なお、事故が起きたのは9合5勺の付近と報道されているので、やはりこの辺りが最も可能性が高い。

九合目から山頂直下までの岩場

ご覧の通り、この区間は狛犬の鳥居まで岩場が連続する険しい場所です。言い換えれば技量や体力に差が出て、御来光登山時に最も渋滞しそうな場所。

 

見て欲しいのは、登山道内に落石するような石があるか?

 

大岩がゴロゴロしてはいるが、これらの石の多くは地面にくっついているか、とても動かせない石。

 

もし、この規模の石が落石していたら、今回事故に遭った方以外も巻き込まれて大惨事になっているはずです。

 

死亡事故に繋がるような落石が発生するとしたら、右側の崖を石を転がってくるしかない。

 

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前述の写真より少し下の様子。

 

同じく落石しそうな石は登山道から取り除かれている。

 

また、斜度が緩いので落石があっても直ぐに止まる場所。

 

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九合目の直ぐ上

九合目を過ぎて岩場までは小さい石と砂地状の登山道になっています。

 

斜度は緩く、上から落石があっても止まる場所。

 

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九合目は少し開けており、多くの登山者が休憩する場所。

 

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九合目は標高3,600m。

 

吉田口まで残り標高100m程の場所。

 

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本八合目までの登山道

事故後、登山道の確認のために閉鎖された区間の最下点がこの辺り。

 

事故発生現場では無いことは明確ですが、念のため様子を載せておきます。

 

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左からの落石は考えられる。

 

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登山道横は基本的に「落石防止ネット」が張ってある。

 

落石の懸念がある場所は、このように登山道全体を保護するようにネットが張られている。

 

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絶対に左側から落石が来ない!とは言えない。

 

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本八合目の直ぐ上は落石が起こるほど急な場所は無い。

 

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本八合目の標高は3,350m。

 

事故はここと山頂直下の間で発生した。

 

 

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事故原因について考える

初めから「落石」ありきで報道されているので、先ずは「落石」説で考えよう。

 

前日の状況写真を見て分かる通り、「決められた登山道内」は良く整備され、落石が懸念される石は取り除かれている。

 

また、傾斜が急な場所の横を歩く場所には落石防止用のネットが張られ、落石対策が行われている。

 

そして、富士山の山容を見れば分かる通り、遮る樹木は何も無いため登山道外では落石が頻発する。

 

しかし、登山道内で発生する落石の可能性は写真を見る限り低そうだ。

 

では、何故落石が行ったのだろうか?

富士山で起きた最大の落石事故

1980年8月14日、丁度この事故と同じ時期に同じ吉田口登山道で、死者12名、負傷者29名の痛ましい大規模落石事故が発生した。

 

山頂の久須志岳付近の岩場から1~2mの岩が数十個単位で崩落。

 

それが雪崩のように転がり八合目から六合目の登山道を直撃し、最終的には五合目まで転がったという。

 

実に標高差1,400mの大落石事故が発生。

 

原因は冬場に大規模雪崩が発生し地盤が緩んでいたという見解であった。

 

被害が拡大した要因として考えられるのは?

 

POINT

  • 富士登山者が例年以上に多い年回りであったこと
  • 自然発生的に出来た下山道が落石の通り道であったこと

これらが起因している。

 

また、2009年には信じられないような落石事故が発生しているのだ。

 

静岡県側の富士山新五合目の駐車場に停車中のキャンピングカーを直径1mの落石が直撃し男性が死亡。

 

落石は落石防止ネットを突き破り駐車場へ至ったという。

 

富士山での落石は頻発しているという見方が常識的で、その影響を受け難いよう登山道を整備しているだけであるということを知って欲しい。

 

今回の落石

想像出来るのは、大落石事故のような大岩が転がれば、ピンポイントに1名だけが被害を受けるとは考えにくいこと。

 

落石した石はせいぜい拳大ではないか?

 

拳大の石が、細かい砂状の場所に止まることなく、ピンポン玉のように大岩で弾みをつけながら転がってくれば人間などひとたまりも無い。

 

その勢いをつける距離が重要なのでしょう。

 

登山道に拳大の石があれば整備され取り除かれます。

 

しかし、登山道を外れた場所には浮石は多く、落石を起こす可能性は大きい

 

また、山頂付近の登山者が投げたり、誤って落下させることも無いとは言えない。

 

ハッキリ言えることは、落石の危険性を熟知している登山者は、この時期の富士山には少ないということだ。

 

そして、落石は登山を行う限り避けては通れない。

 

登山者は下に登山者が居る場合は細心の注意を払い、万一落石を起こしたら「ラック!」と叫び注意を促すのがルール。

 

基本的には登山の経験や技量などは見た目には分からない。

 

また、入山を拒否する権限は誰も有していない。

 

誰でも自由に登れるのが山である以上、せめて最低限の「山の怖さ」だけでも知って欲しい。

 

本当に「落石」だったのか?

事故に遭った女性の行動は、スバルライン五合目を前日の21時に出発し、当日の早朝5時頃、9合5尺辺りで被災した。

 

登攀時間は8時間。

 

この辺りまでの標準的なコースタイム(登山者用)は5.5時間前後なので、余程の健脚者ではない限り宿泊を兼ねていたとは思えない行動時間だ。

 

一般的には普通の人が休みなく登ることは不可能なので、要所で休憩を取っていたことは間違い無いでしょう。

 

そしてこの休憩内容が問題です。

 

①標準的に登れる体力

理論的には2.5時間程度の休憩時間が取れる。

宿泊するとしても仮眠程度。

 

②標準的な体力は無い(もしくは意図的にゆっくり登る)

恐らく小休憩を繰り返しながら8時間行動を継続し続ける。

 

このパターンが当てはまりそう。

 

③体力に優れ(登山に慣れ)登るのが速い

山慣れした健脚者などは、8合目まで3時間弱で登れてしまう。

 

富士山の山小屋が22~23時に受入れ宿泊させてくれるかは不明ですが、翌日の行程1時間を加味しても休息時間は4時間。

 

やはりこれでも「仮眠」以上は望めない。

 

結論としては「②標準的な体力は無い」行動が考えられ、休みを取りながら継続的に登り続け、午前5時頃に被災現場へ至ったという考えが妥当だと思います。

 

気温は2~5度、風が吹いていれば体感気温は氷点下で、場合によっては手や足の感覚が失われ、体力も奪われていたはずです。

 

そして死因は「胸を強く打ったことによる心肺の損傷」で出血無し。

 

当初報道では落石が頭に当たったことが原因のように書かれていたが、実際は胸への強い打撃が影響していた。

 

落石は跳ねるので、手前で跳ねた石が胸に当たっても不思議ではない。

 

しかし、それなりに加速が必要で、結構上から落ちて来る必要があるでしょう。

 

登山道の様子を写した写真を見れば分かりますが、突起した岩が数多くある。

 

疲れ果てて足がもつれれば手で防御する術もなく、激しく前のめりに転倒することも考えられるでしょう。

 

転倒した先に突起した岩があれば、体重や転倒スピードに比例して、それなりの衝撃を受けるかもしれません。

 

何れにしても富士山は日本一高い「日本で最も危険な高所」であることを今一度認識下さい。

 

そして、安全登山のためには「落石」以外にも知らなくてはならないことが沢山あります。

 

次の項よりその他の注意点を解説しますので、自分の身は自分で守る努力を行って下さい。

 

富士登山の難易度をもう一度熟知して欲しい

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富士山を簡単で安全な山だと多くの人が「勘違い」している!

 

安全性や難易度はあくまでも「登山を行う人」を基準に決められています。

 

登山装備の無い人間が普段着で登るということは、安全性と難易度を更に上げているということに気づいて欲しい!

 

登山者を基準とした登頂の難易度

山で遭難すると言うことは、自身の人生に大きく影響が出るだけでなく、捜索に係る多くの人間や周囲に迷惑をかけます。

 

そのため、無暗に危険な山へ登らないよう、一部の都道府県では「グレーディング」という山の難易度を示す指標を作成しています。

 

富士山(富士吉田ルート)のグレーディング「5B」

登山を行わない者が見ても何のこっちゃ?

 

よく分からない数字とアルファベット。

 

実はこれが富士山の富士吉田ルートを通って登る際の危険度となります。

5Bの「5(数字)」の意味

  • 1~3=日帰りが可能
  • 4~5=1泊以上が適当

 

吉田口から富士山を登る場合は「1泊」以上が適当。

 

即ち、それだけの体力を使うということを表しており、数値は具体的な計算値で算定されているのです。

 

今回、事故に遭われた女性は、前日の21時頃スバルライン五合目から登山を開始。

 

途中の山小屋で宿泊したのか、いわゆる「弾丸登山」であったのかは不明。

 

体力的に万全であったかのか?

 

定かではありません(体力が万全でも高山病、持病、その他個人差には注意)。

 

5Bの「B(アルファベット)」の意味

山の危険性(技術度)を表す指標。

 

  • A=登山装備が必要、概ね整備された登山道、滑落・転倒・道迷いの可能性が低い
  • B=登山「経験」が必要、地図読み能力があることが望ましい、転んだ場合「滑落事故」に繋がる場所がある

 

C~Eまで設定がある。

 

吉田口ルートでは、「登山経験」「地図読みの力」という技術/能力が必要。

 

登山道は「滑落事故が起きる」可能性がある危険な場所があることを示唆しています。

 

登山経験により、落石の危険性を知り、正規の登山ルートを通るという常識が培われており、決して無理せず安全に登攀する力量を備えます。

 

しかし、観光登山で訪れた人たちにはこの「常識」はほとんどありません。

 

また、登山道の危険性について知っていれば、登山経験者は必ず「登山靴」使用し、万が一の転倒に備える。

 

一方、観光登山者は一般のスニーカーで登攀しており、より滑落事故へ繋がる可能性が高いと言っても過言ではありません。

 

詳しい解説は以下の記事で詳しく解説。

実は南アルプスの北岳(日本第二の高峰)も同じ難易度「5B」なのです。

 

 

富士山は「危険な環境」であることを理解して欲しい

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富士山の気候

手軽に登れる山と勘違いしている観光登山と登山経験者の違いは、山の厳しさを理解し準備する装備の違いに現れます。

標高による気温低下

標高が100m上がる毎に0.6度気温が下がると言います。

 

自宅(標高100m)が35度の日、富士登山での気温変化はどうなるのでしょうか?

 

位置 標高 最高(昼間) 最低(夜間)
自宅 100m 35.0度 25.0度
富士山五合目 2,305m 21.8度 11.8度
本八合目 3,350m 15.5度 5.5度
吉田口山頂 3,700m 13.4度 3.4度
剣ヶ峰山頂 3,776m 12.9度 2.9度

 

実は富士山頂、ツンドラ気候に分類されるのをご存知でしょうか?

 

上表はあくまでも理論値で、これだけ良い条件の日は数少ないでしょう。

 

一番温かい8月でさえ平均気温は6度なのです。

 

富士山は風が強いことを念頭に入れる

前述の気温はあくまでも「無風」状態での体感気温であり、もし風が吹けば風速1m/sで体感温度は「1度」下がると言います。

 

山頂の風速についても8月の平均があり「8m/s」となっています。

 

理論値の昼間であっても、体感気温は5度。平均気温に対しては-2度ということになります。この事実を知っている人がどれだけ居るのでしょうか?

 

ちなみに、今回の事故が発生した前日は風速20m/sの予想で、まさに山頂では時に突風が吹いていました。昼間でも体感気温は氷点下です。

 

気候を考慮した登山者の服装(装備)

標高が高ければ寒くなることぐらいは誰でも知っているはずです。

 

しかし、その度合いや天候悪化時の想定が出来る人がどれだけいるか疑問です。

 

夏は暑い、間隔が麻痺して真冬の寒さなんて忘れています。

 

登山装備と観光登山者の装備は、ここで大きな違いが出ます。

 

観光登山者

今回、事故の前日に見た多くの人たちがジーンズやチノパン。もしくは類似する短パンでした。

 

そして上着はTシャツが多く、中には普通のYシャツとチノパンという出で立ちで山頂付近にて寒そうにしていた人も。

 

そして寒くなってから着込む上着も薄手のウインドブレーカーが多い印象でした。

 

但し、登山靴などはレンタル化が進んでいるようで、多くの人が登山靴を履いていましたが、大半はスニーカーです。

 

登山経験者

登山経験者の装備で決定的な違いは、高価なハードシェルを備えていること。

 

言うなれば雨具のカッパですが、通常のカッパとは違い浸透性を持った特殊素材のもので、山で風が吹いた時などにも風除けとして着る防寒着を兼ねるハイテク素材。

 

大きな違いは、登山のような大量に汗をかく運動を行っている最中、通常のカッパだと内部が蒸れ濡れてしまいますが、特殊素材の高価なシェルは蒸れを外へ排出する働きがあります。

 

これにより、汗冷えを起因とする低体温症など、死に直結する問題を回避する可能性が大幅に向上しするでしょう。

 

また、汗をかく前提の登山では、汗を外へ出した後、乾燥させる機能が必要です。

 

そのため、Tシャツ1枚でも速乾性の高いとても高価な物を選ぶのが基本。

 

観光登山者の多くは「綿」素材の乾き難いシャツを着用しており、山頂での汗冷えを引き起こす可能性が非常に高いと考えられます。

 

着替えの2~3枚は必ず用意すべきでしょう。

富士山(高山)で注意すべきこと

  1. 気温の変化
  2. 高山病

 

雷について

8月に日本第三位の高峰、南アルプス「間ノ岳」で落雷事故が発生し、20代の若者が残念ながら死亡しました。

 

3,000mを越える山は森林が生える限界を越えており(森林限界と言う)、遮るものが何もない場所です。

 

富士山山頂ももちろん森林限界の場所であり、雷が発生した場合、頭上が積乱雲の真下となります。

 

万が一、富士登山中に雷鳴が響けば、直ぐに近くの山小屋へ避難するしかありません。

 

南アルプスとは違い、山小屋が沢山ある富士山の場合は避難し易いことが大きなメリットです。

 

気温の変化(最も恐れるべき)

山で命を無くす原因で常に上位を占めるのが「低体温症」です。

 

多くの人が「それは冬山でしょ?」と勘違いしていますが、夏山こそ危険!

 

真冬にビショビショのTシャツを着て外へ出たらどうなりますか?もちろん風邪を引くか、放置していれば寒さで死んでしまうかもしれません。

 

体温が低くなるからですね。

 

夏山でも同じです。

 

登山は苦しい運動であり、山頂を目指す登りでは沢山の汗をかきます。

 

そしてその汗は衣類に溜まるですが、登山経験者はそれを知って乾き易い素材の衣類を使用します。

 

汗の量にもよりますが、衣類が乾かずに平均気温6度の山頂に到着すれば真冬の外と同じ状況です。

 

更に平均8m/sと言われる風が吹けば「真冬日」を下回るのです。

 

そんな過酷な状況でも、激しい運動により身体は暑く不安を感じないはず。

 

そこに落とし穴があります。

 

休憩している最中にも体温は奪われ、気が付けば身体が動かなくなります。

 

高山病

高山病については個人差が多く何とも言えません。しかし、自身の体調についてはその場へ行かない限り分からないので恐ろしいのです。

 

登山経験者はある程度の高山を経験しており、自身の高山順応を把握しているため対策を施せますが、初めて富士山へ挑む観光登山者は、自分の適応能力を知る由もありません。

 

少しでも体調に変化を感じればその場で下山する覚悟を持って臨まないと、多くの人に迷惑をかけ、最悪の場合は命に係る場合もあることを忘れてはいけません。

 

富士登山で最低限準備して欲しいもの

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  1. 登山靴かそれに近いもの
  2. 速乾性のある服装(下着を含む)
  3. 高機能な雨具(ハードシェル)
  4. 登山用GPS地図または紙の地図とコンパス
  5. 行動食
  6. 飲料水
  7. グローブ
  8. 帽子、日焼け止め

 

登山装備(服装)

登山用の靴はシャンクと言って、靴底が硬く曲がらない構造になっています。これにより岩場での安定と突き上げを緩和し疲れ難い。

 

また、専用のソールで滑り難くくし、ハイカットであれば足首の捻りを防止してくれます。

 

また、登山用の下着やTシャツ、パンツなどは速乾性の素材を使い、汗冷えの防止を行っています。

 

更に山頂のでの風や悪天候を想定し、ゴアテックス素材などの高価な雨具(ハードシェル)を必ず準備しましょう。

 

道迷い防止とエネルギーの維持

富士山で道迷いすることは滅多にありませんが、万一に備え地図の準備は必要です。

 

また、登山は激しい運動なので、富士山の往復だけでも3~4,000calを消費するため、チョコレートなどで細目にエネルギーを補給する必要があります。

 

エネルギーが切れれば力が出ないだけではなく、体温の低下を招き危険なので必ず準備しましょう。

 

また、汗をかいた分、水の補給も必須。

 

ケガや疲労の防止

グローブ(軍手でもOK)があれば岩場の登攀で手を汚すことなく、また、ケガ防止にもなります。

 

更に高山である富士山の日差しはとても強いので、日焼け止めと防止があれば安心です。

 

出来れば備えて欲しい「ヘルメット」

六合目で貸し出ししているという情報もあります。

 

もし購入しても1万円前後なので、荷物になりますが準備をしていれば安心です。

 

ちなみに、ヘルメットは落石防止よりも、滑落時の安全を考えて、長野県など北アルプスでは必ず着用するよう推奨されています。

 

富士山が「安全」「簡単」な山と勘違いされる理由を理解する

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左から富士山、南アルプスの北岳、間ノ岳~日本の高峰ベストスリー

 

富士山が「安全」「簡単」だと言われる理由は、事故の少なさに起因しています。

 

登山者の数は日本のどの山と比べても桁違いに多く、そして事故の発生率も桁違いに低いのです。

 

その理由は、登山者の安全を考えた登山道の整備が行き届いていることが大きく、登山道以外には多くの浮石が存在するのに、登山道には落石するような危険を全て排除しています。

 

また、過去の経験から、危険を招く恐れがある場所には網を掛け、シェルターを設置し落石を防いでいます。

 

更に数十メートル程度の間に山小屋がひしめき合い、いつでも休憩が出来る手軽さと、万一の場合には救急措置が行えるという利便性の良さ。

 

クローラー(ブルドーザー)による下山が可能と、通常の山では考えられないような設備が整っている。

南アルプスや北アルプスとの違い

富士山に次いで人気のエリアですが、これら普通の山岳地域では、山小屋と山小屋の間は2時間以上離れているのが普通です。

 

また、物資などの輸送は歩荷と言われる人海戦術とヘリコプター輸送が普通で、富士山のようにクローラーが入る登山道は存在しません。

 

その結果、同じようにケガをしても、適切な処置を受けるまでの時間は大きく変わり、また、登山道も全ての危険を取り除くことが出来ないので、落石や滑落も頻発します。

 

富士山は完璧な「安全」を保障しているわけではない

山の管理で一番面倒なことは何か分かりますか?

 

遭難者を出してしまうことです。

 

遭難者が出たら、多くの人材を投入して多くの時間を割き対処しなくてはなりません。

 

そうならないために登山道を整備し、ケガ人や道迷いを防いでいると、ある場所で登山道整備を行っていた人たちに聞きました。

 

富士山の登山道整備には多大な費用をかけ、通常の登山道とは比べものにならない程のクオリティを保っています。

 

そんな登山道でも「山」には変わりないため、危険は決してゼロでは無いことを知って下さい。

 

不幸な事故が発生しないよう、自治体や山小屋が最高の整備を行った登山道です。

 

後は天候に備えた装備を持ち、自身の力量と相談しつつ安全な登山を行ってくださいね。

 

入山料1,000円が安全な登山道や自然保護に使われます。

 

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