安全な登山|登山には多少のリスクがあることを理解する

STEP03 IC 旅のエビデンス

前回の記事では、山のグレーディング(レベル)について解説しました。

グレーディングを把握していれば、自分に合った山を選択し、安全な登山が行えます。

ここでは、一般生活と登山の難易度が混同しないよう、心に刻んで欲しいことを解説します。

 

体力レベルについて

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ネットに氾濫する登山記録などを見ると、キチガイじみたスピードで登山を行う方が散見されます。トレイルランという前提があれば納得できますが、スピードハイクという分野もあり混同し易く、自分の登山スタイルとの違いを見極めることが重要です。

 

特に、標準コースタイム(CT)が甘いとか、大幅に短縮したなどの記事は何かを勘違いしている可能性があるので鵜呑みにはせず、ゆっくりと自然を楽しむという心構えで臨みましょう

 

基本的には標準コースタイム(CT)を目標に行動することが重要で、体力度や求める方向が違う人たちを参考にするのは危険な行為であることを理解して下さい。

単独登坂であれば標準コースタイム(CT)を上回るの当たり前

前記事で標準コースタイム(CT)については詳しく解説しました。

 

  • 40〜50歳の登山経験者
  • 2〜5名のパーティー
  • 山小屋利用を前提とした装備
  • 夏山の晴天時

 

再度読めば分かる通り、想定的には「若く」「単独」であれば上回って当たり前なのです。

しかし、それは「経験」「体力」によっても左右され、必ずしも上回るとも言えません

 

重要なのは、自分がどの程度遅いのか(早いのか)?、登り(下り)のどっちが苦手か?などの要素を把握するための指標にし、次回の山行計画を行う際に加味すべき所をきちんと押さえることなのです。

過信しない

少し体力に自信があり多少の経験をすれば、特に技術を必要としない山の場合、気づけば標準コースタイム(CT)を上回る時間で下山することも多くなることでしょう。

 

そこで多くの初心者は、自分の体力に過信してしまいます。

 

しかし、グレーディングの数値が持つ意味は、全てが普通に上手く行った時を示し、安全に配慮した登山を心がけていることが前提となることを忘れてはいけません

 

健脚(登山で脚が強い人を言う)で、体力レベルが1~2泊以上を推奨される「レベル6」を日帰り出来る人でも、突然のケガやアクシデントが無いとは言えません。それだけのリスクや距離のある行程を指し示しているということを必ず理解しておきましょう。

事故は体力の限界で起きることが多い

日本百名山である東京都で最も高い山「雲取山」での事故が絶えません。そして、2018年10月の滑落事故3件(1名死亡)全て登山道入口近くで発生しました。

 

雲取山のグレーディングは最も短いルートで「4B」となっており、標高2,017mの山頂へ向かうルートの長さは往復で「19.2km」、標高差1,367mです。

 

標高差の割に距離が長いため、急登よりもなだらかな斜面が続く登山道であることが数値で分かります。しかし、19.2kmという長さは一般的にはとても長く、1泊での登山を推奨する「4」という体力レベルで、多くの登山者は山頂近くの小屋へ泊ります。

 

体力に自信がある、もしくは時間が無い人は日帰りで登るパターンも少なくありません。ちなみにコースタイム(CT)は8時間42分なので、朝5時に出発すれば14時前後には下山出来る計算です。

 

この数字がギリギリの人にとっては危険なのです。

 

3件の滑落事故は下山時、登山口まであと10~20分以内の所で全て起きており、先ず「疲労」があったことは否めません。また、10月という季節は日が短く、コースタイム(CT)が遅れれば登山道は暗闇に包まれ、疲労と共に滑落の危険が明らかに高くなります。

 

事実、3件の内2件は18時を過ぎており、自身の体力と計画がマッチングしていなかったことを想像できます。

 

技術レベルについて

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登坂の難しさについては、人の感性で大きく変わるところです。特に岩場などで高度を感じる場所は、高所恐怖症の人と高い所が好きな人では天地ほどに違いが発生します。

 

技術レベルを読み解くには経験が必要となりますが、少なくとも一般道とは違う山に対する畏怖の念を持ち、過信しないで対処する心構えと地図読みや判断力はしっかり養う必要があります

技術度「A」や「B」で勘違いして欲しくないこと

この指標は、あくまでも「登山道」という特殊環境についての難易度を示してます。

仮に「A」であっても、一般道とは比べものにならない険しさになると考えて下さい。

 

未舗装で、石がゴロゴロしているのは当たり前であり、場所によっては滑落する場所もゼロでは無いのです。この前提は「登山装備」をした登山者へのレーティングであり、普通の服装では更に危険度が増す場所であることを認識して下さい。

 

先の「雲取山」は「B」ですが、滑落の相次いだ登山道は狭く、足元の整備は悪くは無いもののガケに沿って歩くような道なので注意が必要なのです。そこを疲労困憊になりながら、暗い道を歩めば事故が起きない方が不思議でしょう。登山道と一般道は根本的に違うのです。

 

大事なのはレベルを鵜呑みにせず、しっかりとした計画と準備を行い、慎重な行動を心がけることです。

技術レベルは最も条件の良い環境時に適用される

これは体力レベルと同じ考えです。

夏山の晴天時で、最も山が優しい時の難易度を示しているので、天候が崩れた場合は大幅に難易度が変わる事を理解しましょう。

 

また、大雨の後や残雪が残っている時期も同様のことが言えます。

登山に必要なテクニックを習得する

地図読みやルートの判断の他、基本的な技術の習得が重要です。

それは、一般道を歩く方法と登山での歩行方法は違うということです。

 

同じ10kmを歩く場合でも、舗装された道路と不整地の登山道では体力の消耗が大きく違います。この違いが健康に良いのですが、それでも同じ歩き方をしていたら最悪の場合下山出来なくなります

 

登山ではスピードよりも、いかに省エネで進むことが重要となってきます。ウォーキングではつま先を蹴って踵で着地するという、ふくらはぎを使った歩き方になりますが、同じ足運びを行っていたら登山では直ぐにバテます。

 

登山の足運びの基本は「フラットフィッティング」という方法で、ふくらはぎではなく太ももで足を運び、歩幅は小さく、前足を靴裏全体でフラットに置き体重を入れ替えます。後ろ足も蹴らず、フラットに持ち上げます。

 

重心は真ん中に保ち、決して踵から地面に着かないようにします。特に下りの場合、踵から降りると滑り易くなり、膝への負担も大きくなりため途中で歩けなくなる可能性があります。意識的には爪先から降ります。

 

先ずは足運びに慣れることが長距離を歩くために必要な技術です。

 

リスク(危険)を理解し登山へ出かけよう!

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自然の中を歩く登山のリスクは一般道とは違うことが理解出来たでしょうか?

とは言え、登山道として指定された人の手が入った場所を歩くので、まったくの手つかずの自然を進むよりは安全です。

 

大事なことは、普段歩いている道を基準に安全度が決まっているのではなく、元々リスクのある登山道の中で、体力度や技術力を設定されているということを理解すること。そして、登山に必要な準備を怠らないことです!

 

その他のリスク(危険)

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登山は自然の中を行くため、自分自身の問題だけでは済まない状況も発生します。例えば、火山が爆発したら人間は何も出来ないでしょう。それでも、事前にリスクを想定し、準備を行うことが可能なものもありますので、先ずはリスクマネジメントを行いましょう。

 

  1. 熊や獣との遭遇
  2. 虫対策
  3. ヤマビル対策
  4. 転倒などケガをした時の応急処置
  5. 万が一のビバーク準備
  6. 気温の変化に対応する
  7. 天候の変化に対応する
  8. 水の確保
  9. 自分の位置を把握する

 

他にも上げたらキリがないですが、最低でもこれくらいの準備は必要です。

そのために重いリュックを背負うのですから。

 

 

ステップ01:登山のススメ!|登山は身体も心も健康に保つ最高の運動方法って知ってる?

ステップ02:山の難易度を知る|登りたい山の体力度や技術度を理解する

ステップ03:安全な登山|登山には多少のリスクがあることを理解する

ステップ04:登山の目標|登山を継続する目標の立て方

ステップ05:道具を揃える|自分の登山スタイルを固めて準備を整えよう

ステップ06:登山計画|登山に便利な地図アプリを使いこなす

ステップ07:自分の体力を知る|簡単な山でも登山とウォーキングでは大きな違い

ステップ08:最初のステップアップ|先ず最初に目標とするおすすめの山

ステップ09:次のステップアップ(技術度)|少し大変な山にも安全第一で挑戦しよう

ステップ10:次のステップアップ(体力度)|少し大変な山にも安全第一で挑戦しよう

ステップ11:次のステップアップ(複合)|少し大変な山にも安全第一で挑戦しよう

ステップ12:この先はあなた次第|自分の力量や山への愛着度によって変わる方向性