北岳(草すべりルート)|日本第二位の高峰へ挑むベーシックルート

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南アルプス最高峰の山「北岳」。

言わずと知れた、富士山に次ぐ日本第二位の高峰で、非火山の山としては日本No.1の高峰です。

 

北岳山頂へのアプローチは山梨県側の広河原を登山口とし、ルートは主に3つあります。

 

  1. 白根御池小屋~草すべりルート
  2. 大樺沢二俣分岐~八本歯のコルを経由するルート
  3. 大樺沢二俣分岐~右俣ルートを経由するルート

 

ここでは、1番の「白根御池小屋~草すべりルート」を徹底解説致します!

 

登山道具の整理に便利! こんな箱知ってました?

 

登山データ

この記事に関するデータです。

 

■時期 夏山(6月~8月)
■移動手段 自家用車
■利用駐車場 広河原駐車場
■移動 芦安バス停(5:30)~(6:28)広河原
■登山開始時刻 6時45分
■登山終了時刻 12時45分(北岳山頂)
■活動時間(休憩含む) 6時間00分
■本内容のペース 休憩含まない「CT 6時間55分」に対し「0.87」~少し速い

 

活動時間に関する注意点!

今回の登山情報は、北岳山荘へ向かう途中「北岳山頂」までのルートを解説しています。

草すべりルートは急登が続くため、標準CTが人によって大きくバラつきますので、活動時間には十分注意して下さい。

 

また、体力に自信があり、日帰りで北岳山頂を往復する場合は、最悪でも6時間以内、出来れば5時間前後で山頂へ到着する必要があります。最終バスに間に合わない「最悪の事態」を想定し、最低でも広河原山荘などに宿泊出来るお金も用意しましょう。

 

北岳は人気の山なので、ハイシーズンの週末となれば登山道で渋滞が起こります。渋滞の規模は富士山ほどでは無いにしても、思い通りのペースで歩けない場合もあるので余裕を持った計画が必要です。幸いなことに草すべりルートは比較的空く傾向にあります。

 

3D登山ルート

今回のルートを3D動画にしました。迫力ある動画と登山ルートの高低を確認しましょう♪

動画は広河原から北岳山荘までの参考ルートです。

広河原~北岳~北岳山荘

自身の山行を3D動画に出来るReliveの使い方こちらから。

 

 

北岳への登山ルートガイド(白根御池小屋~草すべりルート)

初心者を意識した登山ガイドとなるため、少し細かく長いですが写真は綺麗です♪

必ず行きたくなりますが、実際に登山を行う際は再度見直して下さいね。

 

登山ルートの紹介

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白根御池小屋~草すべりルート最も時間がかかるルート

主要な3つの登山ルートの内、最も時間が掛かるルートであることが分ると思います。

しかし、開山期前半の北岳では、大樺沢に雪渓が残るためルート閉鎖やアイゼンの準備が必要となり初心者向けではありません。更に落石の危険も伴います。

 

一方で草すべりルートはシーズン当初は雪渓が残りますが、危険も少ないので最も長く活用されます。しかし、標準CTが長く急登が続くため、大樺沢の雪渓が少なくなると登山者がそちらに流れる傾向がありますが、逆を考えれば渋滞も少なく、時間が読みやすいルートと言えます。

 

ここでは、白根御池小屋~草すべりを経由し山頂へ至るルートを解説。

 

広河原から白根御池小屋

広河原から白根御池小屋までの登山道全般は樹林帯の道です。樹木に囲まれた小さなピークをいくつも越えて行くため、決して楽な登山道ではありません。

誰もが通る「橋」北岳へのスタート!

初めて北岳を目指す登山者が緊張して渡る「吊り橋」。

広河原から北岳へ至るには、この吊り橋を必ず通らなければなりません。

 

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ただ通り過ぎるだけではなく「最悪時の保険」として

吊り橋を渡り切り、右手へ向かうと「広河原山荘」があります。ここでは水の補給とトイレが使用可能ですが、ただ通り過ぎるだけではなく、万が一「バスの時間に間に合わなかった」場合に備え、この場所をきちんと記憶しておきましょう。

 

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さあ、登山道の入口へ

広河原山荘の左手が、北岳登山道の入口です。

白根御池小屋までは真っすぐ歩き続けます。

 

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登山開始の前半は中登程度。少しづつ身体を慣らして行きましょう。

 

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水が豊富な南アルプス。

いくつかの沢から水が溢れ、登山道は所どころで水び出しです。

 

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小さな橋を渡る所があっても問題ありません。

でも、滑り易いので注意。

 

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小山の尾根道は意外と険しい

登山道は決して平らな道ばかりではありません。

大きな石と木の根によって歩き難い急登が続きます。

 

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丸太のハシゴも頻繁に出てきます。

 

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休憩できるベンチは二ヶ所

北岳の登山道で、人口的に作られた休憩用のベンチがあるのはこのルートだけ(山小屋除く)。

最初のベンチは登山開始から1時間弱で到着します。

 

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しかし、二つ目のベンチまでは急登が続く。

 

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一つ目のベンチから30分ほどで二つ目のベンチに到着。

これ以降、登山道で休憩出来る場所はありません。

 

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そして急登の度合いが高まって行きます。

 

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白根御池小屋に近づくと道が穏やかになる

白根御池小屋まで30分程度まで近づくと、急に急登が止み、緩やかなアップダウンと歩き易い登山道へ変化します。

 

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尾根道からトラバース気味に変化し、道が平坦に近づく。

 

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小屋手前には崩落した登山道があり、慎重に通過しましょう。

 

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倒木はあっても、登山道は平で歩き易い。

 

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トラバースの木道。

特に不安な場所はありませんが、滑落しないよう慎重に。

 

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トラバースの木道を通過すると多少ザレた場所もありますが、白根御池小屋まではあと少し。

 

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まるで玄関へ誘う敷石のような場所に出れば、その先に白根御池小屋。

 

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白根御池小屋到着!

水場は無料でトイレもある綺麗な小屋です。

北岳では、残念ながらこの小屋以外で「まともな水」を得られる場所はありません。

 

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ここまで標準CTで2時間弱です。

広河原の標高 1,529mから白根御池小屋 2,236m。標高差707mでした♪

距離2.6km、1km換算で272m。

いよいよ急登!「草すべり」

白根御池小屋までも結構な急登をこなし、更にダメ押しの急登が始まります。

休みなく草すべりを登ることは大変なので、要所要所で休憩を取りつつ進みましょう。

写真右の斜面を登って行きます。

 

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6月中は雪渓に注意!

大樺沢は8月まで雪渓が残りますが、草すべりも6月中は雪渓が残っている場合があります。特に開山初期にはこのルートでも雪渓の上を歩きますので注意が必要。

 

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登山道の大半はザレ場と大岩を超える

草すべりルートの登山道は狭く、大半がザレ場になり滑り易いです。

ザレ場ルートは九十九折に進みます。

 

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そして、高度を稼ぐ岩場もあり、体力はどんどん奪われて行く。

 

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右俣ルートと合流

急登に疲れ果てると、突き当りに高山植物を保護するお花畑が現れます。

大樺沢二俣から右俣ルートで来る登山道とは、ここで合流。

 

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お花畑の登山道

北岳、夏の登山ではあちらこちらにお花畑が点在します。

特に右俣ルートと草すべりの合流地点から尾根へ至るルートは素晴らしい景観が続きます。

残念なのは、この場所ではガスが発生し易いこと。

 

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木段の登山道へ至れば、尾根に出るのは間近です!

(ガスった写真で申し訳ありません)

 

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尾根道に到着!小太郎山分岐へ

尾根道に出た瞬間、風は強まり一気に体温を奪って行くので注意!

眺望の良いであれば、右側に小太郎山へ続く尾根、そして正面に北岳が見えてきます。

 

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尾根道はガレ、そして周りはハイマツ帯に変化。

 

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小太郎山分岐の標識に到着しました。

尾根に出た場所にも朽ちた標識がありますが、現在ではこちらが正規のようです。

 

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ここまで標準CTで4時間45分前後です。

白根御池小屋の標高 2,236mから小太郎山分岐 2,850m。標高差614mでした♪

距離1.2km、1km換算で512m。

 

やはり「草すべり」ルートは急登です。

 

北岳山頂へ!

稜線へ出れば北岳の山頂まではあと少し。標準CTで約1時間。

途中、北岳肩の小屋を通り向かいますので、小休止するのも良いでしょう。

 

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北岳肩の小屋へ

小太郎山分岐から北岳肩の小屋までの登山道は、今までの登山道から一変し3000m峰らしい岩稜帯が中心となります。クサリの補助が設置されている場所もあり、マークに従って安全に通過して下さい。

 

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クサリ場の急登。

整備は行き届いています。

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標高3,000mの北岳肩の小屋。

ラーメンやカレーなどが食べられ、トイレも利用可能です。但し水については天水で有料販売なので、気になる人は白根御池小屋で十分に準備を行って下さい。

 

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両俣小屋分岐まで

北岳山頂へ向かう登山道は、北岳肩の小屋横を通ります。

 

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稜線の登山道には安全対策のクサリが付いていて安心ですが、足元が悪いことには変わりありませんので引続き慎重に進みましょう。

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両俣小屋の分岐標識です。

両俣小屋へ至るルートは通行禁止の場合があるので注意しましょう。

 

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北岳山頂直下から頂上へ至る!

さあ、ピークが見えてきました。いよいよ山頂か?

いえ違います。これから数か所のピークを交え、アップダウンを繰り返しながら山頂へ向かいます。

焦らずゆっくり安全に。

 

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3,000mの稜線歩きを楽しんで下さい。

 

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ゴーロ帯様の登山道が現れてくればもう少し!

赤いマークに従って進みます。

 

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いよいよ山頂?

 

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違いました。

本物の山頂が見え、人の姿もあります。

 

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北岳登頂!

標柱はこの他に山梨百名山のものがあります。

 

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ここまで標準CTで4時間45分前後です。

小太郎山分岐の標高 2,850mから北岳山頂 3,195m。標高差345mでした♪

距離1.5km、1km換算で230m。

 

メモ

よく比較されるのが「北岳」と「富士山」でどちらの登山が大変なのか?ということ。山梨県が発表している山の難易度を示すグレーディングはどちらも「5B」で、体力面では1泊以上を推奨し、技術面では概ね整備された登山道という解釈です。

 

しかし、実際に登ってみれば分かりますが、富士山は山小屋が多く、登山道も比べものにならない程整備されおり、永遠に続く階段を登るようなとてもキツいハイキングの様相にも感じられます。一方で「北岳」については「完全に登山」です。

 

標高的にはどちらも3,000mを超える危険地帯ですが、登山道の状況や安全施策の面を鑑みれば全く違う山です。夏の北岳登山は大量に水を摂取するため、事前の備えや途中の水場確保が重要な要素です。必ず登山計画を作成する際に把握して下さい。

 

一方で登山道の整備や山小屋などの見守りが十分な富士山ですが、日本一高い場所であることには変わりなく、山頂の風や気温は想像を絶する場面も存在しますので、決して侮ってはいけません。

 

3000m、森林限界を越える稜線へ出れば風も通り天候によってはとても厳しい気温となります。また、足場も同様に悪くなるので注意が必要。

 

しっかりとした登山装備を整えて下さい。

なお、初春や晩秋には雪が残っていたり雪が降ることもあるので、アイゼンなどの装備も忘れてはいけません。

登山地図は必ず準備!

整備が良くても道迷いする人は必ず出ます。自分は違うと思っていても、いつ同じように遭難するかわかりません。

必ず登山地図を準備しましょう。

 

 

登山道具の整理に便利! 道具の整理も忘れずに♪

 

登山道へのアクセスなどの基本情報はこちらの記事で。