北岳(八本歯のコル・ルート)|北岳を徹底的に楽しむ険しいルート

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南アルプス最高峰の山「北岳」。

言わずと知れた、富士山に次ぐ日本第二位の高峰で、非火山の山としては日本No.1の高峰です。

 

北岳山頂へのアプローチは山梨県側の広河原を登山口とし、ルートは主に3つあります。

 

  1. 白根御池小屋~草すべりルート
  2. 大樺沢二俣の分岐~八本歯のコルを経由するルート
  3. 大樺沢二俣の分岐~右俣ルートを経由するルート

 

ここでは、2番の「大樺沢二俣分岐~八本歯のコルを経由するルート」を徹底解説致します!

 

登山道具の整理に便利! こんな箱知ってました?

 

登山データ

この記事に関するデータです。

 

■時期 夏山(6月~8月)
■移動手段 自家用車
■利用駐車場 奈良田駐車場
■移動 芦安バス停(5:15)~(6:13)広河原
■登山開始時刻 6時30分
■登山終了時刻 11時50分(北岳山頂)
■活動時間(休憩含む) 5時間20分
■本内容のペース 休憩含まない「CT 5時間10分」に対し「1.03」~普通

 

活動時間に関する注意点!

今回の登山情報は、農鳥小屋へ向かう途中「北岳山頂」までのルートを解説しています。

八本歯のコルルートは終盤に丸太ハシゴが集中し険しくなり、北岳山頂へ向かう登山道は北岳肩の小屋とは逆方向からの急登となります。

 

体力の無い人は、標準CTを上回る可能性があるので活動時間には十分注意して下さい。

 

また、体力に自信があり、日帰りで北岳山頂を往復する場合は、最悪でも6時間以内、出来れば5時間前後で山頂へ到着する必要があります。最終バスに間に合わない「最悪の事態」を想定し、最低でも広河原山荘などに宿泊出来るお金も用意しましょう。

 

北岳は人気の山なので、ハイシーズンの週末となれば登山道で渋滞が起こります。渋滞の規模は富士山ほどでは無いにしても、思い通りのペースで歩けない場合もあるので余裕を持った計画が必要です。特に八本歯ルートは混雑するので中止ましょう。

 

3D登山ルート

今回のルートを3D動画にしました。迫力ある動画と登山ルートの高低を確認しましょう♪

動画は白峰三山と白峰南陵を縦走した記録ですが、冒頭10秒が北岳山頂へ至る「八本歯のコルルート」になります。

 

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自身の山行を3D動画に出来るReliveの使い方こちらから。

 

 

北岳への登山ルートガイド(大樺沢二俣~八本歯のコルルート)

初心者を意識した登山ガイドとなるため、少し細かく長いですが写真は綺麗です♪

必ず行きたくなりますが、実際に登山を行う際は再度見直して下さいね。

 

登山ルートの紹介

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大樺沢二俣~八本歯のコルルートは最速ルート?

主要な3つの登山ルートの内、最短のルートであることが分ると思います。

しかし、開山期前半の北岳では、大樺沢に雪渓が残るためルート閉鎖やアイゼンの準備が必要となり初心者向けではありません。更に落石の危険も伴います。

 

また、ハイシーズン中の八本歯のコルへ至るま登山道は渋滞が発生し易く、更に八本歯のコル以降は急な丸太ハシゴが連続するため時間が読みづらいルートと言えます。

 

ここでは、ハイシーズン土曜日の登山道状況を含め、八本歯のコルを経由し山頂へ至るルートを解説。

 

広河原から大樺沢二俣分岐

広河原から大樺沢二俣分岐までの登山道前半は、川沿いの樹林帯を通過する気持ちの良い道です。後半は大樺沢の脇を通る河原沿いの登山道となり、日陰が急激に無くなると共に、足元も岩稜中心の道へ変化します。

 

沢の上流へ登るイメージなので、決して緩やかな道ではありません。

登山開始30分前後の分岐を間違えない!

北岳を目指す登山者は先ず「吊り橋」を渡ります。

そして、大樺沢へ向かう分岐は、丁度登り始めでキツい時間に現れるので見落とさないように注意!見落として真っすぐ進むと白根御池小屋の方へ行ってしまいます。

 

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ハイシーズンの北岳は登山道に渋滞が発生します。

富士山のように登山道が広く無いので、人が集中すると直ぐに動かなくなるので注意が必要。

 

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登山開始から20~30分後に最初の分岐となります。

間違えないように「二俣」方面へ向かって下さい。

 

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樹林帯を沢沿いに進む爽やかな登山道

最初の分岐から「二俣」方面へ向かうと、引続き樹林帯の登山道が続きます。

白根御池小屋へ進むルートと大きく違うのは常に沢沿いを歩いて行くことで、シーズン初期にはこの沢に雪渓が残り障害となりますが、夏本番にはとても爽やかなルートです。

 

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爽やかな沢沿いのルート。樹林帯のお陰もあり涼しいことが嬉しい。

しかし、ハイシーズンの登山渋滞は続きます。

 

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鉄パイプの橋を渡る場所では多くの人が休憩しています。

 

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急騰ぎみの岩場が始まると、木々に囲まれた登山道の終了も近い。

 

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雪渓の残る沢沿いに出ると日陰が急激に減少

写真は6月のシーズンインから7月中旬頃までは雪渓に囲まれ危険なルートになっています。8月に入ると雪渓の融雪が進み、多くの登山者が訪れますが、これまでの樹林帯から木々の無い登山道と変わるため暑さに注意しましょう。

 

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暑さに耐え「二俣分岐」へ到着!

荒々しいバッドレスの岩稜帯が近づくと、上部に仮設トイレが現れます。仮設トイレは夏山シーズン、バスが運行している期間のみ設置されます。ルート上に山小屋が無いための措置。

 

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二俣からは「八本歯のコル」を目指します。

引続き長いルートとなるので、無理せず小休止を取る余裕を持って進みましょう。

 

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ここまで標準CTで2時間25分前後です。

広河原の標高 1,529mから大樺沢二俣分岐 2,209m。標高差680mでした♪

距離2.9km、1km換算で234m。

 

大樺沢二俣分岐から八本歯のコルへ

大樺沢二俣分岐からの道は更に角度が上がってきます。また、足元の岩も大きく変化し、益々歩きづらい道が続くので、要所要所での休憩が重要となります。

日陰も少ないので、日焼けや暑さ対策は十分に行いましょう。

 

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登山渋滞は大分解消されるが詰まる場所もある

ハイシーズンの休日であっても、朝一番のバスで登山を開始していればこの辺りで渋滞は大分解消されているはずです。しかし依然登山者の数は多く、また狭い登山道が続くために足もとが悪い場所では足が止まる場面もあります。

 

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バッドレスというロッククライミングの名所を始め、北岳では遭難者も少なくないため、この日も救助へ向かうヘリコプターが飛び続けていました。

 

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再び樹林帯へ入る手前。

登山道の様子は御覧の通りです。

 

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雪渓の織り成す風景

夏山シーズンが終わるまで雪渓は残ります。この時期は沢の上に蓋がしてある程度の状態なので、決して雪渓の上へ乗ってはいけません。踏み抜きます。

 

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最後まで雪渓が残る場所から登山道を振り返ります。

遠くに鳳凰三山が見守る中、登山者の殆どが急登に苦しんで登ってきます。

 

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雪渓を過ぎて

雪渓の横を通り過ぎてからは益々急登となり、また、暑さが体力を奪って行きます。

足もとはほぼ「河原」状態なので慎重に歩を進めます。

 

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右手には北岳の荒々しい面が見れます。

 

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大樺沢をトラバースします。雪渓が残る時期は雪渓を渡る場所。

登山道の急騰ぶりが伺えます。

 

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登山道は豊富な沢水で、やはり川のような状態の場所もあります。

ここまで来れば八本歯のコルまでもう少し!

 

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八本歯のコル

珍しい名前でなので北岳の代名詞になっている登山ポイントですが、いよいよここからこちらも名物の「丸太ハシゴ」が続きます。

 

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ここまで標準CTで4時間15分前後です。

大樺沢二俣分岐の標高 2,209mから八本歯のコル 約2,880m。標高差660mでした♪

距離1.3km、1km換算で508m(草すべり512m)。

 

草すべり同様、この間が北岳で最もキツい登りかもしれません。

八本歯のコルから吊尾根分岐はハシゴ地獄

北岳で有名なハシゴ地獄は八本歯のコルから始まります。垂直に近い危険なハシゴはほとんどありませんが、10ヶ所以上続くハシゴは苦手な人にとっては本当に地獄かもしれません。

しかし、岩場を登攀するよりも楽という一面もありますので、ここが頑張りどころです!

 

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手摺を掴んで慎重に。

 

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ハシゴとハシゴの間はこの様な登山道となります。

 

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では、全てではありませんがハシゴのバリエーションを紹介します。

ここに写ってないハシゴは数か所程度で、優しい場所なので安心して下さい。

 

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踊り場

ハシゴが続きますが、次のハシゴまでの間に踊り場状の場所もあるので、眺望を見ながら小休止。

バッドレスが良く見えます。

 

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遭難者を収容し引返すヘリコプターと鳳凰三山。

山の事故はいつ起こるかわかりません。保険には必ず加入しましょう。

 

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トラバース分岐までは最後のハシゴ正念場

標高が上げるにつれハシゴの角度も大きくなります。

高度感を感じるほどの場所はほとんどありませんが、注意深く進むに越したことはありません。

 

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雪渓は遥か下です。

 

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ボーコン沢の頭方面はもっと険しいハシゴがかかっています。

 

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眺望が大きく広がり、北岳山荘方面と間ノ岳が望めます。

ホッと一安心する瞬間。

 

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さあ、最後ハシゴ。

そして八本歯のコルルート、最後の難関です!

 

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トラバース分岐から吊尾根分岐へ

最後のハシゴを通り過ぎればトラバース分岐に到達です。

北岳山荘を目的にする人は、ここから北岳山頂へは行かずトラバース道へ進みましょう。

 

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ここからは富士山も綺麗に望めます。

 

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トラバース道は滑落も発生する険しい道なので、注意が必要。

 

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北岳から間ノ岳への縦走路、重要な分岐点となる「吊尾根分岐」。八本歯のコルルートでは、ここから北岳を目指します。肩の小屋方面へ向かう場合はそのまま進み、間ノ岳へ向かう場合はザックをデポして軽身で登るのも手です。

 

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ここまで標準CTで4時間15分前後です。

八本歯のコル 約2,880mから吊尾根分岐 約3,080m。標高差200mでした♪

距離0.5km、1km換算で400m。

 

やはりキツいルートですね。

吊尾根分岐からは一気に山頂を目指す!

吊尾根分岐から山頂までの距離は300m、20分の標記は標準CTと同じ。しかし、重い荷物を背負っていればこの急登は辛い。CT通りに山頂を踏める人は少ないだろう。

もし、縦走途中であれば、ここにザックをデポして山頂を目指そう!

 

山頂直下、ガケにしか見えない場所を登って行きます♪

 

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山頂直下の筋に見える場所がこの登山道です。

急登を頑張って登っていくしかありません。

 

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雷鳥

南アルプスでは雷鳥に出会う機会が少なくありません。北岳でもこの山頂直下をはじめ、北岳山荘周辺でも観察出来る場合があります。あまり人を恐れないですが、マナーを守って写真に収めて下さいね。

 

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北岳山頂

山頂手前はどの山でも険しくなっています。北岳でもクサリ場(補助的)が連なる場所もありますが、慎重に進めば特に問題はありません。

 

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天気の良い日、北岳山頂は多くの人で賑わいます。

山頂看板の前では記念撮影待ちも発生しますので、余裕を持った計画はここでも必要。

 

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北岳山頂でお天気に恵まれればラッキー!

夏場は午後になれば雲が上がってくることが多いので、朝一番に山頂へ立つのが理想です。

この日はギリギリ鳳凰三山に雲がかかる前でした。

 

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富士山もどうにか頭だけ。

 

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八本歯のコルルートは間ノ岳方面から北岳山頂へ向かうルートなので、間ノ岳への美しい稜線が確認できます。

 

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ここまで標準CTで5時間10分前後です。

吊尾根分岐 約3,080mから北岳山頂 3,193m。標高差213mでした♪

距離0.3km、1km換算で710m。

 

山頂直下はやはり急登です。

 

メモ

北岳のグレーディングは草すべりルートの評価で「5B」です。しかし、八本歯のコルから山頂を目指すルートは明らかに技術面が上がり「C」相当でしょう。体力面の評価が同じであれば、技術面が難しい方が更に負荷がかかります。

 

草すべりルートは体力さえあれば初心者でも大丈夫でしょうが、八本歯のコルからのルートは中級程度の技術と経験が必要なので、計画を行う際には十分注意して下さい。

 

何れにせよ3000mを越える高山、森林限界を越える稜線へ出れば風も通り天候によってはとても厳しい気温となります。また、足場も同様に悪くなるので注意が必要。

 

しっかりとした登山装備を整えて下さい。

なお、初春や晩秋には雪が残っていたり雪が降ることもあるので、アイゼンなどの装備も忘れてはいけません。

登山地図は必ず準備!

整備が良くても道迷いする人は必ず出ます。自分は違うと思っていても、いつ同じように遭難するかわかりません。

必ず登山地図を準備しましょう。

 

 

登山道具の整理に便利! 道具の整理も忘れずに♪

 

登山道へのアクセスなどの基本情報はこちらの記事で。