大学を卒業すれば良い就職が出来るのでしょうか?
そんなはずは有りません。
大卒が就職に有利であれば、大学進学率が高止まりである昨今でさえ、定員にも満たない受験者数の世間で俗に言う「Fラン大学」でも就職には困らないはずです。
どんな大学でも卒業したら「大学卒」。
でも、本当にその学校の学歴って有利なの?
今回は、大卒であるがゆえに不利になってしまうことを4つの視点で考えてみました。
大卒の就職選択肢は高卒の比ではないって本当?エントリーし放題
就職活動時、本人のやる気次第でどの会社へもエントリー出来る大学生。
一見有利に見えるのですが、実情はどうなんでしょう?
大卒はどんな企業にもエントリーし放題
本人が動けば、インターネット経由でいくらでもエントリー登録可能です。
但し、面接まで行けるかは別の問題。
…そう、エントリーは自由なのです。
学歴フィルターはどの企業にも存在しません。
建前では。
実際は、学校のネームバリューが陰で評価されていることは周知の通りでしょ?
高卒は学校に来る求人票頼み…でも全て真剣な募集
一方で、高校生を募集する企業は、真剣に高校生を欲しがり求人を出します。
生徒も日程が合えば、いくつかの企業を受けることが可能な場合もあります。
しかも、大手製造業の求人がとても多いのです。
大手の場合、入社試験は筆記試験と面接を行う企業がほとんどだと思います。
筆記試験についても、ほぼ一般常識全般で、きちんと勉強をしていれば解ける問題しか出ません。
面接についても、学校が模擬面接などの対策を施してくれるでしょう。
応募すれば、合格率は非常に高いです。
大卒(院卒)の給与を高卒は超えられる
初任給から大差がつく給与。その差は一生埋まらないのか?
大卒の初任給が高卒より高い理由
企業は幹部候補生として大卒(院卒)を採用する。
当然、高卒よりも4年ないしは6年以上余計に勉強し、専門分野があり、年齢も上、会社の将来を託す幹部候補生なので高くて当たり前。
また、一般企業の場合は、職務等級が定められており、その等級に従い給与が違います。
高卒は最下位の等級からスタートしますが、幹部候補生は主任前後の等級から始まるのがほとんどでしょう。
高卒は作業員(ワーカー)
大手製造業は、現場で働くワーカー社員を募集します。事務系であっても基本的には同じです。
職責は最下層からですが、社員なので定期昇給やベアアップがあり、毎年着実に収入はアップしするでしょう。
10年も働けば、派遣社員やパートを取りまとめたり、スタッフとして直接機械をオペレーションするような作業から外れます。
20年働けば、早ければ主任や班長という肩書がつくかもしれません。
特出した実績とコミュニケーション能力があれば、25年~30年後には管理職へ昇格する可能性だってあります。
管理職へ昇格すれば、責任は大きくなりますが、年収と退職金が大幅にアップします。
そこまで到達できるのは、恐らく同期で一人か二人、もしくはゼロかもしれません。
大手企業へ就職した大半の高卒社員は管理職になれません
しかし、主任職にはほとんどの人が到達できます。主任職で残業をある程度こなすような業務であれば、年収は6~7百万円もざらです。
高卒は作業員として採用されるが、一生現場で機械をオペレーションすることはほとんどありません。
業務の幅は経験に従い広くなるのでチャンスは沢山あります
ここまで読むと、大卒との給与差を逆転することはほとんど無理だと思ってしまいますが、大卒のダメ社員と高卒の出世頭はある時点で逆転する可能性が高いです。
仕事力の無い大卒社員は、有利とは決して言い切れないのが実情である。
大卒しか採用しない企業は沢山あるから、やっぱり大卒は有利?
大卒も作業員として採用する時代
- 大卒以上しか採用しない
- 高卒の採用実績が無い
そんな大手企業もあります。
このような企業は、総合職と一般職などにすみ分け、同じ学歴の採用でも扱いを変えます。
高卒並のあつかいで良いならすそ野は広がる
総合職はどこへ転勤してもOK、どの部署へ移動してもOKなど、会社の意図で勤務内容が変わり、且つ、管理的業務を主とします。
一方で一般職は、昔の事務員さんを思い浮かべれば分かりやすいですが、制服を着て銀行の窓口業務をしている社員というイメージ。
基本的には転勤はないが(地銀などは同じ県内の支店への移動はある)、給与面や出世面で総合職に劣ります。
銀行など、以前は一般職業務を高卒社員でまかなっていましたが、現在は進学率が上がり、大卒採用がほとんどになっているようです。
総合職になるには一流大学卒業でないと無理と言われていましたが、最近はハードな業務を避ける人も多く、ストレスに強い、運動部所属の学生が好まれる傾向にあると聞きます。
逆に、一流大学出の女性で、メガバンクの一般職採用を狙う人も増加傾向。
大卒しか採用しない企業は超大手
相当特殊な製品や商材を販売する企業は、特定の学部学科を履修した学生を求めます。
大手商社やマスコミ関係などへ高卒で入社するという話をわたしは聞いたことがありません。
東電などのインフラ関係は超大手ですが、高卒を沢山採用します。
超大手は大卒しか採用しないと、一概には言えないでしょう。
大卒の就職 本当は狭き門
売り手市場と言われる昨今。
本当に大学を卒業すれば就職に困らないのか?
企業は建前と本音で人材を採用する
インターネトで調べれば沢山の情報が出ます。
エントリーの追跡をして、フィルタリングの事実を報告しているサイトもあります。
企業の採用担当者は、「人柄」で採用したいのが本音でしょうが、数回の面接でそこまで見抜くのは至難の業です。
学歴フィルターは存在する?結局は難関大学が有利?
人気企業であれば、誰でもエントリーできるわけなので、数万人という希望者が殺到し、全員の人柄を見るための面接を行うのは不可能なのは分かりますよね?
結局は、自社に適したある程度のレベルの大学以上で足切りしざるを得ないわけです。
特に人気がある企業は、黙っていても多くのエントリーが集まります。
数回の面接程度で人柄を判断するのは難しいでしょう。
しかし、狭き門の一流大学を出た人は、少なくとも人一倍努力をしたか、地頭が良いことは直ぐに判断できます。
そういう人であれば、困難な仕事であってもやり遂げられる「期待」を企業は持てるのです。
学歴フィルターが出来るのは、当然の流れでしょう。
まとめ
この記事のポイント
- 大学(大学院)からの就職活動は自由に企業を選べるが、相手が選んでくれるかは分からない
- 仕事力のない大卒社員は、高卒に給与を抜かれることもあり得る
- 大卒でも高卒と同じ処遇で採用されるケースが増えている
- 学歴フィルターは存在するので、フィルターにかからない価値ある大学を選択し進学すべし
子供の将来設計を考えるなら、早いうちに手を打った方が得策ですね。