子供が中小企業(零細企業)へ就職することを望んでいる親は見ないで下さい。
弱小企業(零細企業)の給与データも比較しました。
高卒勝ち組や行く価値のある大学へ行ける人たちは限られています。
ほとんどの人がそれ以外の人生を歩むのです。
自分の子どもがそうならないためにも、事実を知って、子ども将来設計の重要性を改めて理解してほしいと思います。
別の記事では「ハッピーな就職」が出来た場合の年収をまとめていることに気づいたので、中小企業と零細企業も含め、生涯賃金を改めて比較したいと思います。
前提条件の考え方
本記事で使用する数値について、前提条件を以下のとおり定義します。
「出世大卒」「一般的大卒」「出世高卒」「ダメ大卒」「一般的高卒」について
- 一部上場の一般的な製造業を仮定
- 60歳定年とし、60歳時点で退職金を生涯所得に加算
- 実際の賃金例を確認している
「中企業大卒」「中企業高卒」について
- 資本金1億円程度~新興市場上場、東証二部状況規模を想定
- 60歳定年とし、60歳時点で退職金を生涯所得に加算
- 賃金データは四季報や統計データから総合的に算定(私見)
「零細企業大卒」「中小企業高卒」について
- 資本金1億円未満の株式会社を想定
- 60歳定年とし、60歳時点で退職金を生涯所得に加算
- 実際の賃金例を確認している
大きくは外していないとは思いますが、不明な点は比例配分しているので、イメージとして理解して下さい。
生涯賃金比較と就労人口の割合
前提条件に沿って、数値化したのが以下グラフ。
- 含まれる就労者
- いわゆる「会社組織」に属する人間(4,600万人)
- 含まれない就労者
- 公務員(国家公務員、地方公務員など)
- 公益法人、財団法人の就労者
- 自営業者
- 非正規雇用者
(単位:万円)
生涯賃金の差は大きい
同じ大卒でも、大企業の一般的な大卒と、零細企業の大卒では「2.4倍」もの大幅な格差が生じていることに注目してほしい。
学歴上では同じ「大卒」であるにも係らず、これだけ大きな差となるのは、「行く価値のある大学」へ行けたか、行けなかったのかが大きな原因であることは既に周知の通り。
高卒の出世組と比較しても、2倍以上の差をつけられていることを考えれば、いかに「無駄な金」を使ったのかが伺える。
就労人口の比率を考慮すると格差が明確になる
「行く価値のある大学」を選択した場合
「行く価値のある大学」を卒業できた場合、上記のグラフで6.6%を占める「出世大卒」「一般大卒」「ダメ大卒」に大半は含まれ、一部は21.7%を占める「中企業大卒」に入るのは間違いない。
ただし、本グラフには「公務員」「特殊法人」は含まれないので、「中企業大卒」へ流れる割合は比較的少ないと考えられる。
大学へ行く価値を再度見直し、子どもの将来を考えた人生設計を行うことが肝要となる。
高卒も有利とは言えないが、価値のない大学へ行く無駄は省ける
高卒勝ち組は僅か「6.6%」。
狭き門と言わざるを得ないが、冷静に考えると、中途半端な進学校へ進学する生徒のほとんどが「行く価値のない」大学へ最終的に進学している。
これは、現在の教育システム上仕方がないことで、高校を選択した時点で、大学進学を視野へ入れるか、入れないかがほとんど決まってしまう。
普通高校出身では、就職の「つぶしがきかない」ないのだ。
そう考えると、最初から就職を視野に職業高校を目指す人の数は限られており、中学までの間、基礎的な勉強をある程度理解しているのであれば、職業高校内で上位6.6%程度の成績を収めるのは容易だと考えられる。
もちろん、ぎりぎりで進学校へ滑り込んだレベルでも、選択肢を間違えなければ職業高校で同程度の順位を取ることは十分可能であろう。
この選択肢の差が、年収格差に大きく影響しているのだ。
また、これだけのことで、大学進学に係る親の負担は1千万円程度低減し、更には就職後の支援も大幅に削減できるので、子どもにとっても「老後負担」が減るという「シナジー効果」が生まれる。
とは言え、職業高校で上位6.6%に入り、且つ就職を成功させることは容易ではない。
なぜなら、職業高校へ入る生徒のほとんどは「向上心」のない生徒だからだ。
別の記事でも書いているが、向上心のない生徒たちは、目標や目的を持った生徒の邪魔をする。
このまま流されれば、最終的に勝ち組にはなれないのだ。
考え方にもよるが、「遊びの誘惑に負けない意思」と「勉強を続ける意思」はどちらが難しいのか?
遊びたい年頃なので、遊びの誘惑に打ち勝つ方が難しいかもしれない。
進学を前提に集まった集団では、その意思は周りの環境で打ち消されるだろうが、元々向上心のない集団の中では、更に流されやすいはずである。
逆を正せば、勉強を続ける意思の方が環境面も考慮すれば簡単なこととなり、「行く価値のある大学」進学を目指すことの方が、高卒の勝ち組になるよりも簡単な場合もあるのかもしれない。
ここは個人のキャラクターを、いかに小さいうちからコントロールできるかがカギとなりそうだ。
絶対に避けなければならないこと
グラフを見れば一目瞭然だが、「零細企業」しか選択肢のない子どもに育てないこと。
ここで上げた就労人口は4,600万人。
実際は6,000万人弱が全体の就労人口で、残り1,400万人の中に公務員や特殊法人、自営業、更には「非正規社員」が入ってくる。
「零細企業」の選択肢以外には「非正規社員」というもっと悲惨な実情がある。
「零細企業」の場合、生涯賃金を平均年収に置き換えると「大卒で418万円」「高卒で312万円」になり、月の手取りが「20万円~30万円」程度。
子どもの進学どころか、日々の生活に追われることとなるのは明らかだ。
また、中企業も一括りにしているが、ピンキリであって、下層へ所属することは避けたい。
そうならないためにどうするのか?
当ブログを参考に、お子さんの将来設計と実践を早めに準備することをお奨めします。
生涯賃金格差は負の連鎖を生む。
自力で勉強ができる子どもなんて稀。
ご近所の子育てを聞いていると、必ず聞こえてくるのが「勉強しろと言っても勉強しない」。
将来の「負の連鎖」予備軍がほとんどなのです。