この記事では、2023年発売モデルのTVS REGZA(旧東芝)のテレビブランドであるREGZA(レグザ)について、耐久性に関する「省エネ性能とパネル寿命」の評価を行いました。
性能と省エネ性能は反比例し、パネル寿命も同じく映像美が際立つ有機ELパネルの方が耐久性に劣ります。
機能満載の方が楽しいテレビライフが過ごせそうですが、購入価格が高くて、ランニングコストである電気代も高いとなると慎重に考えることが肝要です。
もちろん、買い替えサイクルに影響するパネル寿命も重要。
TVS REGZA(旧東芝)・レグザ2023年モデル、X9900M・Z970M・Z870M・M550Mの省エネ性能とパネル寿命を知って、物価高のご時世であっても賢く過ごせるテレビを選択しましょう。
【この記事で解決する疑問と悩み】
- 2023年発売TVS REGZA(旧東芝)レグザの省エネ性とパネル寿命の把握
- シリーズごとの省エネ性とパネル寿命の違い
- 対象:X9900M・Z970M・Z870M・M550M
長年製造業に従事し豊富な知見を活かした
分析が得意なブロガー
えだまめくん
edamamekun
レグザに適合する外付けHDDの情報もご活用下さい♪
TVS REGZA(旧東芝)・レグザ2023モデル|X9900M・Z970M・Z870M|
TVS REGZA(旧東芝)レグザの2023年発売モデルの概要は以下の通り。
「詳細確認」ボタンから各モデルの詳細へジャンプできます。
X9900M | Z970M | Z870M | M550M | |
---|---|---|---|---|
映像 | 有機EL | 液晶 | Mini LED液晶 | Mini LED液晶 |
音響 | 立体音響 | 立体音響 | 立体音響 | 普通 |
サイズ 展開 | 77v|65v |55v | 85v|75v |65v | 75v|65v |55v | 75v|65v|55v |50v|43v |
進化 レベル | 中 | 中 | 小 | 普通 |
デザイン | 高 | 普通 | 普通 | 微妙 |
価格 | 高い | 高い | 中 | 安い |
詳細確認 | 詳細確認 | 詳細確認 | 詳細確認 |
2023年モデルレグザパネル寿命の比較TVS REGZA(旧東芝)・レグザ
パネルの寿命は日進月歩で変化しており一概に寿命を単純に想定できませんが、一般的には下表の耐久年数が目安となります。
パネル方式 | 耐久時間 | 耐久日数換算 |
---|---|---|
ブラウン管 | 2万時間前後 | 833日 |
液晶パネル | 6万時間前後 | 2,500日 |
有機ELパネル | 3万時間前後 | 1,250日 |
2023年モデルレグザ消費電力量の比較TVS REGZA(旧東芝)・レグザ
型 | 電力 | X9900M | Z970M | Z870M | M550M |
---|---|---|---|---|---|
100v | 消費電力 (W) | - | 541 | - | - |
年間消費 電力量 (kWh) | - | 342 | - | - | |
85v | 消費電力 (W) | - | 394 | - | - |
年間消費 電力量 (kWh) | - | 283 | - | - | |
77v | 消費電力 (W) | 679 | - | - | - |
年間消費 電力量 (kWh) | 340 | - | - | - | |
75v | 消費電力 (W) | - | 344 | 291 | 250 |
年間消費 電力量 (kWh) | - | 210 | 166 | 179 | |
65v | 消費電力 (W) | 542 | 288 | 249 | 197 |
年間消費 電力量 (kWh) | 316 | 209 | 165 | 146 | |
55v | 消費電力 (W) | 403 | - | 210 | 157 |
年間消費 電力量 (kWh) | 244 | - | 125 | 126 | |
50v | 消費電力 (W) | - | - | - | 140 |
年間消費 電力量 (kWh) | - | - | - | 116 | |
48v | 消費電力 (W) | - | - | - | - |
年間消費 電力量 (kWh) | - | - | - | - | |
43v | 消費電力 (W) | - | - | - | 139 |
年間消費 電力量 (kWh) | - | - | - | 107 |
消費電力と年間消費電力量って何が違うの?って人もいるから、ちゃんと説明してね。
電力の基本知識
2023年モデルレグザの省エネ性能を分析する前に、簡単に電力に関する基礎知識を学んでおきましょう。
消費電力(W)とは
対象のテレビを利用するために必要なパワー(電力)の数値で、W(ワット)で表します。
電力(W)は電圧(V=ボルト〜一般家庭は100V)と電流(A=アンペア)を掛けて算出します。
例えば、一般家庭のコンセント100Vに対し5Aの電流を必要とする機器の消費電力は500Wで、これを1時間使用すると500Wh(h=1時間)の電量が消費されるわけですね。
電力使用料は1時間あたりの単価をkWh(k=1,000倍)で表すので、500Whの電力を1,000で割って0.5kWhとなり、これに1時間あたりの電力単価を掛ければ電気代が算出可能。
仮に1時間あたりの電気使用料が40円なら、0.5kWh×40円で1時間あたり20円の電気代が必要となります。
しかし、テレビの場合、消費電力(W)はその機種の最大値を表すので、画像を暗くしたりボリュームを下げることで消費電力は低く抑えられ実際は表示の消費電力をフルに使用することはありません。
実際の使用時間に対し、70%〜80%程度を見込んで計算すると近い値になるでしょう。
省エネは画質(輝度ダウン)や音質(音を小さく)の犠牲で対策できますが、、やはり初めから消費電力表示が小さいほど省エネ性能が優れていると言えます。
ただし、古い価値観で主電源を切る省エネ対策は新しいテレビでは行うべきでなく、その理由は以下の記事で詳しく解説しています。
年間消費電力量(kWh)とは
テレビの説明書に記載された年間消費電力量(kWh)は、経産省の省エネ基準で算定した数値で、車の燃費表示同様に使用環境によってはあまりあてになりません。
2023年モデルは2012年の目標値と2026年の新しい目標値が混在しているため注意が必要です(2012年目標値の方が低く算出される)。
算出方法は複雑なので、2012年の目標値に関する計算方法のポイントだけを書くと次のとおり。
- 1日の平均視聴時間(5.1時間)
- 電子番組表取得時間を含む待機時間(18.9時間)
- テレビ使用時はスタンダードモード
- 節電機能設定時電力を係数で按分
2012年基準の前は1日の平均視聴時間は4.5時間という設定が多かったので、2026年目標のハードルは2012年基準よりも高くなっていることは明白です。
例えば、ハイセンスのMini LED液晶モデル「75U9H」のカタログ値では、年間消費電力の2012年基準が200kWh、2026年基準が240kWhで40kWhもの差が発生していました。
何にしても企業ベースで算出される年間消費電力については参考程度と考えた方が良いでしょう。
2023レグザの生活環境で変わる電気代
電気代はテレビを使用する家庭環境で大きな差が生じます。
- テレビの使用時間が長い
- ハイスペックな機能を利用し視聴する
分かりやすいよう2つの生活パターンに分け、それぞれ2つの視聴方法で発生する1日の電気代を独自算定しました。
算定根拠
生活パターンの違い
1日中テレビを見る (付けている)生活 | 【生活パターンA】昼間は留守で 夜テレビを見る生活 | 【生活パターンB】
---|---|
<視聴時間> 6:00〜21:00 15時間/日 | <視聴時間> 6:00〜7:00 19:00〜23:00 5時間/日 |
視聴方法の違い
【省エネ視聴】 | 【高機能視聴】 |
---|---|
映像輝度や音声を抑え、省エネモードで視聴 消費電力の60%で計算 | テレビの性能を上げて視聴 消費電力の90%で計算 |
電気代
1kWhの単価 |
---|
40.0円 |
注:電気代高騰に合わせ、2022年の27.0円から変更
2023年モデルレグザ省エネ性能とパネル寿命の評価TVS REGZA(旧東芝)・レグザ
2023年発売のTVS REGZA(旧東芝)・レグザの省エネ性能を全てのラインナップ(X9900M・Z970M・Z870M・M550M)で評価しました。
また、この記事独自の視点とそれぞれのモデルにマッチする購買層も明確にしています。
4K有機ELレグザ X9900Mシリーズの省エネ性能とパネル寿命評価
X9900Mの消費電力から算出されるランニングコスト(電気代)は視聴方法で大きく変わります。
TVS REGZA(旧東芝)・レグザのフラッグシップモデルとして最高レベルの機能を有しているX9900Mは、そのポテンシャルを最大限発揮させるには大きな消費電力が必要だから。
最大サイズの77vを例にとると、テレビに依存する生活環境だと1日に163円の差が生じ、年間に換算すると6万円近くも余計にコストがかかってしまう。
せっかく高性能な機能を有してしても、それを発揮できる生活レベルでないと宝の持ち腐れになってしまいます。
X9900M省エネ性能(1日の電気代)
生活パターン | 77v | 65v | 55v |
---|---|---|---|
省エネA | 244円 | 179円 | 143円 |
省エネB | 81円 | 60円 | 48円 |
高機能A | 367円 | 268円 | 214円 |
高機能B | 122円 | 89円 | 71円 |
パネルについては最新の有機ELパネルなので従来より耐久性が上がっているものの、液晶パネルの6万時間には到底及びません。
有機ELパネルの耐久年数
パネル方式 | 耐久時間 | 耐久日数換算 |
---|---|---|
有機ELパネル | 3万時間前後 | 1,250日 |
これらのデータでX9900Mを評価します。
評価:5.0
電気代が上がっても、4K有機ELレグザは映像が美しいから許すのだ。
評価:2.0
やっぱり有機ELテレビは省エネ性能が悪いわ。
評価:2.0
今年もお金に余裕がある人しか買えないね。
有機ELテレビフラッグシップモデルは電気代がかかるのが当たり前ですが、X9900Mは前モデルより省エネ性能が上がっています。
- 映像も音響もそこそこのレベルを求める人
- 電気代を気にしない人
- 買い替えサイクルが短い人
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4K Mini LED液晶レグザ Z970Mシリーズの省エネ性能とパネル寿命評価
TVS REGZA(旧東芝)・レグザのMini LEDモデルも第二世代へ突入。
前モデルのZ875Lでは消費電力が大きいことが少し気になる点でしたが、Z970Mは性能をアップしつつ省エネ性能も改善しています。
具体的には消費電力で75v型は403Wから344Wへ約15%も省エネとなり、レグザセンシングによって年間消費電力量は307kWhから210kWhへ約32%も向上。
Mini LEDバックライトへ性能がアップしても、ミドルクラスの4K液晶テレビ並みの省エネ性能はとても魅力です。
Z970M省エネ性能(1日の電気代)
生活パターン | 85v | 75v | 65v |
---|---|---|---|
省エネA | 142円 | 124円 | 104円 |
省エネB | 47円 | 41円 | 35円 |
高機能A | 213円 | 186円 | 156円 |
高機能B | 71円 | 62円 | 52円 |
パネルについては最新のMini LEDバックライトパネルなので、耐久性については不明ながらも従来の液晶パネル同様と考えられます。
液晶パネルの耐久年数
パネル方式 | 耐久時間 | 耐久日数換算 |
---|---|---|
液晶パネル | 6万時間前後 | 2,500日 |
これらのデータでZ970Mを評価します。
評価:4.0
電気代を気にする人にとっては、有機ELテレビよりも魅力的な選択になりそうなのだ。
評価:4.5
性能が上がって省エネ性能も向上なんて、今までのレグザじゃ考えられないわね。
評価:4.0
この数字なら、ランニングコスト的にはMini LEDテレビは選択肢としてトップクラスに入るね。
今期のレグザは見事にMini LEDの省エネ性能を改善してきました。実は下位モデルの直下型LED液晶Z770Lよりも優秀です。
- 最新のMini LED液晶テレビは欲しい人
- 省エネ性能の高いMini LEDテレビが欲しい人
- コストにこだわらない人
\ Z970Mの総合評価はこちら /
\ 前モデルの情報はこちら /
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4K Mini LED液晶レグザ Z870Mシリーズの省エネ性能とパネル寿命評価
Z870Mは第二世代のTVS REGZA(旧東芝)・レグザMini LEDモデルのスタンダードモデル。
前モデルのZ870Lでは55v型のみの展開でしたが、今期は75v型、65v型、55v型の3サイズから選択可能です。
消費電力と年間消費電力量共に、大幅に改善が進んだ上位モデルのZ970Mよりも更に省エネ性能が高く、4K液晶Mini LEDテレビの普及モデルとなりそうです。
Z870M省エネ性能(1日の電気代)
生活パターン | 75v | 65v | 55v |
---|---|---|---|
省エネA | 105円 | 90円 | 76円 |
省エネB | 35円 | 30円 | 25円 |
高機能A | 157円 | 134円 | 113円 |
高機能B | 52円 | 45円 | 38円 |
パネルについては最新のMini LEDバックライトパネルなので、耐久性については不明ながらも従来の液晶パネル同様と考えられます。
液晶パネルの耐久年数
パネル方式 | 耐久時間 | 耐久日数換算 |
---|---|---|
液晶パネル | 6万時間前後 | 2,500日 |
これらのデータでZ870Mを評価します。
評価:4.0
トップモデルが好きなわしには関係ないが、Mini LEDテレビが普及することは嬉しいのだ。
評価:4.5
明らかにコスパを狙ったモデルと言えるわね。
評価:4.0
ミドルクラスの液晶テレビと変わらないランニングコストになりそうだね。本体価格も液晶ハイエンド並みになるとバランスが取れるよ。
今期はMini LEDテレビがレグザの狙い目かな?省エネ性能と機能は満足できる出来なので、本体価格次第では一気にMini LEDが市場に広がる?
- Mini LED液晶テレビを試したい人
- 省エネ性能の高いMini LEDテレビが欲しい人
- コストにこだわる人
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4K液晶レグザ M550Mシリーズの省エネ性能とパネル寿命評価
M550Mは倍速パネルも非搭載の最廉価版モデルで、タイムシフトマシンはもちろん非搭載です。
今期は更に機能が控えめとなり、省エネ性能が益々高くなりました。
なお、サイズバリエーションは前モデル同様で、超大型サイズから小型サイズまで幅広く取り揃えている点も注目です。
M550M省エネ性能(1日の電気代)
生活パターン | 75v | 65v | 55v | 50v | 43v |
---|---|---|---|---|---|
省エネA | 90円 | 71円 | 57円 | 50円 | 50円 |
省エネB | 30円 | 24円 | 19円 | 17円 | 17円 |
高機能A | 135円 | 106円 | 85円 | 76円 | 75円 |
高機能B | 45円 | 35円 | 28円 | 25円 | 25円 |
技術が成熟した全面直下型パネルなので、パネルの耐久性能は安定していることが期待できます。
液晶パネルの耐久年数
パネル方式 | 耐久時間 | 耐久日数換算 |
---|---|---|
液晶パネル | 6万時間前後 | 2,500日 |
これらのデータでM550Mを評価します。
評価:3.0
電気代なんぞ気にしちゃダメなのだ。
評価:4.0
今期は消費電力よりも年間消費電力量が大幅に改善したから、視聴時間の少ない人には有利ね。
評価:4.0
消費電力は前モデルから変化ないけど、他社の同クラスとの比較では相変わらずトップクラスだ。
今期も43v型意外は他社と比較するとトップクラスの省エネ性能です。
- 一日中テレビを視聴する人
- 大画面テレビを電気代を気にせず視聴したい人
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省エネ性能とパネル寿命の評価まとめ2023年モデルTVS REGZA(旧東芝)・レグザ
評価モデル | |||
---|---|---|---|
X9900M | 5.0 | 2.0 | 2.0 |
Z970M | 4.0 | 4.5 | 4.0 |
Z870M | 4.0 | 4.5 | 4.0 |
M550M | 3.0 | 4.0 | 4.0 |
この記事では2023年発売のTVS REGZA(旧東芝)・レグザの省エネ性能とパネル寿命について評価を行いました。
2023年は電気料金が大幅に値上げされ、テレビの選択も機能だけでなく省エネ性能も注目すべきです。
例えば、500Wの消費電力でも電気代が10円上がれば1時間あたり5円の値上げとなり、1日10時間テレビを使用していれば年間で18,250円も出費が増えます。
機能が高ければ消費する電力量も多くなり、バランスを考えて賢くレグザを選択しましょう。
良い買い物をして下さい♪