この記事では、2023年発売モデルのPanasonic(パナソニック)のテレビブランドであるVIERA(ビエラ)について、耐久性に関する「省エネ性能とパネル寿命」の評価を行いました。
性能と省エネ性能は反比例し、パネル寿命も同じく映像美が際立つ有機ELパネルの方が耐久性に劣ります。
機能満載の方が楽しいテレビライフが過ごせそうですが、購入価格が高くて、ランニングコストである電気代も高いとなると慎重に考えることが肝要です。
もちろん、買い替えサイクルに影響するパネル寿命も重要。
パナソニック・ビエラ2023年モデル、MZ2500・MZ1800・MX950・MX900・MX800の省エネ性能とパネル寿命を知って、物価高のご時世であっても賢く過ごせるテレビを選択しましょう。
【この記事で解決する疑問と悩み】
- 2023年発売パナソニックビエラの省エネ性とパネル寿命の把握
- シリーズごとの省エネ性とパネル寿命の違い
- 対象:MZ2500・MZ1800・MX950・MX900・MX800
長年製造業に従事し豊富な知見を活かした
分析が得意なブロガー
えだまめくん
edamamekun
パナソニックビエラ2023モデル|MZ2500・MZ1800・MX950・MX900・MX800|
パナソニック・ビエラの2023年発売モデルの概要は以下の通り。
「詳細確認」ボタンから各モデルの詳細へジャンプできます。
MZ2500 | MZ1800 | MX950 | MX900 | MX800 | |
---|---|---|---|---|---|
映像 | 有機EL | 有機EL | Mini LED 液晶 | 液晶 | 液晶 |
音響 | 立体音響 | 立体音響 | 立体音響 | 立体音響 | 立体音響 |
サイズ 展開 | 65v|55v | 65v|55v|48v | 75v|65v|55v | 50v|43v | |50v|43v | 75v|65v|55v
進化 レベル | 中 | 低 | 高 | 低 | 低 |
デザイン | 普通 | 普通 | 普通 | 普通 | 微妙 |
価格 | 高い | 高い | 高い | 普通 | 普通 |
詳細確認 | 詳細確認 | 詳細確認 | 詳細確認 | 詳細確認 |
2023年モデルビエラパネル寿命の比較パナソニック・ビエラ
パネルの寿命は日進月歩で変化しており一概に寿命を単純に想定できませんが、一般的には下表の耐久年数が目安となります。
パネル方式 | 耐久時間 | 耐久日数換算 |
---|---|---|
ブラウン管 | 2万時間前後 | 833日 |
液晶パネル | 6万時間前後 | 2,500日 |
有機ELパネル | 3万時間前後 | 1,250日 |
2023年モデルビエラ消費電力量の比較パナソニック・ビエラ
型 | 電力 | MZ2500 | MZ1800 LZ1000 | MX950 | MX900 | MX800 |
---|---|---|---|---|---|---|
77v | 消費電力 (W) | - | - | - | - | - |
年間消費 電力量 (kWh) | - | - | - | - | - | |
75v | 消費電力 (W) | - | - | 325 | - | 295 |
年間消費 電力量 (kWh) | - | - | 214 | - | 242 | |
65v | 消費電力 (W) | 602 | 496 MZ1800 | 270 | - | 255 |
年間消費 電力量 (kWh) | 225 | 208 MZ1800 | 182 | - | 201 | |
58v | 消費電力 (W) | - | - | - | - | - |
年間消費 電力量 (kWh) | - | - | - | - | - | |
55v | 消費電力 (W) | 454 | 384 MZ1800 | 225 | - | 190 |
年間消費 電力量 (kWh) | 182 | 167 MZ1800 | 162 | - | 176 | |
50v | 消費電力 (W) | - | - | - | 170 | 155 |
年間消費 電力量 (kWh) | - | - | - | 131 | 150 | |
49v | 消費電力 (W) | - | - | - | - | - |
年間消費 電力量 (kWh) | - | - | - | - | - | |
48v | 消費電力 (W) | - | 233 MZ1800 | - | - | - |
年間消費 電力量 (kWh) | - | 139 MZ1800 | - | - | - | |
43v | 消費電力 (W) | - | - | - | 140 | 117 |
年間消費 電力量 (kWh) | - | - | - | 116 | 122 | |
42v | 消費電力 (W) | - | 196 LZ1000 | - | - | - |
年間消費 電力量 (kWh) | - | 116 LZ1000 | - | - | - |
消費電力と年間消費電力量って何が違うの?って人もいるから、ちゃんと説明してね。
電力の基本知識
2023年モデルビエラの省エネ性能を分析する前に、簡単に電力に関する基礎知識を学んでおきましょう。
消費電力(W)とは
対象のテレビを利用するために必要なパワー(電力)の数値で、W(ワット)で表します。
電力(W)は電圧(V=ボルト〜一般家庭は100V)と電流(A=アンペア)を掛けて算出します。
例えば、一般家庭のコンセント100Vに対し5Aの電流を必要とする機器の消費電力は500Wで、これを1時間使用すると500Wh(h=1時間)の電量が消費されるわけですね。
電力使用料は1時間あたりの単価をkWh(k=1,000倍)で表すので、500Whの電力を1,000で割って0.5kWhとなり、これに1時間あたりの電力単価を掛ければ電気代が算出可能。
仮に1時間あたりの電気使用料が40円なら、0.5kWh×40円で1時間あたり20円の電気代が必要となります。
しかし、テレビの場合、消費電力(W)はその機種の最大値を表すので、画像を暗くしたりボリュームを下げることで消費電力は低く抑えられ実際は表示の消費電力をフルに使用することはありません。
実際の使用時間に対し、70%〜80%程度を見込んで計算すると近い値になるでしょう。
省エネは画質(輝度ダウン)や音質(音を小さく)の犠牲で対策できますが、、やはり初めから消費電力表示が小さいほど省エネ性能が優れていると言えます。
ただし、古い価値観で主電源を切る省エネ対策は新しいテレビでは行うべきでなく、その理由は以下の記事で詳しく解説しています。
年間消費電力量(kWh)とは
テレビの説明書に記載された年間消費電力量(kWh)は、経産省の省エネ基準で算定した数値で、車の燃費表示同様に使用環境によってはあまりあてになりません。
2023年モデルは2012年の目標値と2026年の新しい目標値が混在しているため注意が必要です(2012年目標値の方が低く算出される)。
算出方法は複雑なので、2012年の目標値に関する計算方法のポイントだけを書くと次のとおり。
- 1日の平均視聴時間(5.1時間)
- 電子番組表取得時間を含む待機時間(18.9時間)
- テレビ使用時はスタンダードモード
- 節電機能設定時電力を係数で按分
2012年基準の前は1日の平均視聴時間は4.5時間という設定が多かったので、2026年目標のハードルは2012年基準よりも高くなっていることは明白です。
ハイセンスのMini LED液晶モデル「75U9H」のカタログ値では、年間消費電力の2012年基準が200kWh、2026年基準が240kWhで40kWhもの差が発生していました。
何にしても企業ベースで算出される年間消費電力については参考程度と考えた方が良いでしょう。
2023ビエラの生活環境で変わる電気代
電気代はテレビを使用する家庭環境で大きな差が生じます。
- テレビの使用時間が長い
- ハイスペックな機能を利用し視聴する
分かりやすいよう2つの生活パターンに分け、それぞれ2つの視聴方法で発生する1日の電気代を独自算定しました。
算定根拠
生活パターンの違い
1日中テレビを見る (付けている)生活 | 【生活パターンA】昼間は留守で 夜テレビを見る生活 | 【生活パターンB】
---|---|
<視聴時間> 6:00〜21:00 15時間/日 | <視聴時間> 6:00〜7:00 19:00〜23:00 5時間/日 |
視聴方法の違い
【省エネ視聴】 | 【高機能視聴】 |
---|---|
映像輝度や音声を抑え、省エネモードで視聴 消費電力の60%で計算 | テレビの性能を上げて視聴 消費電力の90%で計算 |
電気代
1kWhの単価 |
---|
40.0円 |
注:電気代高騰に合わせ、2022年の27.0円から変更
2023年モデルビエラ省エネ性能とパネル寿命の評価パナソニック・ビエラ
2023年発売のパナソニック・ビエラの省エネ性能を全てのラインナップ(MZ2500・MZ1800・MX950・MX900・MX800)で評価しました。
また、この記事独自の視点とそれぞれのモデルにマッチする購買層も明確にしています。
4K有機ELビエラ MZ2500シリーズの省エネ性能とパネル寿命評価
MZ2500の消費電力から算出されるランニングコスト(電気代)は視聴方法で大きく変わります。
パナソニックビエラのフラッグシップモデルとして最高レベルの機能を有しているMZ2500は、そのポテンシャルを最大限発揮させるには大きな消費電力が必要だから。
最大サイズの65vを例にとると、テレビに依存する生活環境だと1日に108円の差が生じ、年間に換算すると4万円も余計にコストがかかってしまう。
せっかく高性能な機能を有してしても、それを発揮できる生活レベルでないと宝の持ち腐れになってしまいます。
MZ2500省エネ性能(1日の電気代)
生活パターン | 65v | 55v |
---|---|---|
省エネA | 217円 | 163円 |
省エネB | 72円 | 54円 |
高機能A | 325円 | 245円 |
高機能B | 108円 | 82円 |
パネルについては最新の有機ELパネルなので従来より耐久性が上がっているものの、液晶パネルの6万時間には到底及びません。
有機ELパネルの耐久年数
パネル方式 | 耐久時間 | 耐久日数換算 |
---|---|---|
有機ELパネル | 3万時間前後 | 1,250日 |
これらのデータでMZ2500を評価します。
評価:5.0
高機能だから消費電力が大きいのは仕方ないのだ。わしにとっては安いもんなのだ。
評価:1.0
前モデルと比較すると更に消費電力が悪化してるわ。相変わらず消費電力もクラス最高レベルだわ…
評価:1.0
有機ELテレビは維持できないから買えないんだよね。
MZ2500を選ぶ人は電気代なんて気にしないでしょう。
- 映像も音響も最高レベルを求める人
- 電気代を気にしない人
- 買い替えサイクルが短い人
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4K有機ELビエラ MZ1800シリーズの省エネ性能とパネル寿命評価
MZ1800はハイエンドモデルのMZ2500と比較した場合、多少は消費電力が抑えられています。
消費電力の差は65vで約18%、55vも約15%。しかし前モデルのLZ1800よりも65vで約23%、55vも約21%悪化。
しかし、年間消費電力量は進化しているので、スペックを最大限活用しない使用方法ならランニングコストは抑えられるでしょう。
とは言え、せっかくのハイスペック準拠の有機ELテレビなので、電気代を気にしない使用方法ができるユーザー向けのコスパモデルと言えます。
MZ1800省エネ性能(1日の電気代)
生活パターン | 65v | 55v | 48v |
---|---|---|---|
省エネA | 179円 | 138円 | 84円 |
省エネB | 60円 | 46円 | 28円 |
高機能A | 268円 | 207円 | 126円 |
高機能B | 89円 | 69円 | 42円 |
パネルについては前モデルのフラッグシップ並みの有機ELパネルなので、従来より耐久性が上がっているものの、液晶パネルの6万時間には到底及びません。
有機ELパネルの耐久年数
パネル方式 | 耐久時間 | 耐久日数換算 |
---|---|---|
有機ELパネル | 3万時間前後 | 1,250日 |
これらのデータでMZ1800を評価します。
評価:5.0
最新式ではないが、引続きバランスの良い機種だと評価できるのだ。
評価:2.0
消費電力量だけを見ると評価は低くならざるを得ないわ。
評価:2.0
前モデルは消費電力が抑えられていたのにな〜。液晶の安い機種なら半分の消費電力で済むのに。
やっぱり機能的にはフラッグシップ並みの消費電力なんですね。
- フラッグシップ並みの有機ELテレビが欲しい人
- 有機ELテレビのランニングコストにこだわらない人
- 最先端のハイエンドモデルにこだわらない人
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4K液晶Mini LEDビエラ MX950シリーズの省エネ性能とパネル寿命評価
MX95075v型の消費電力は前モデルのLX950から減少しています。
イネーブルドスピーカーを廃止したスピーカーシステムの刷新による影響が大きそうですが、通常、Mini LED化により消費電力がアップするのでこれは嬉しい誤算。
75v型は325Wで359Wの前モデルLX950よりダウン。ただ、65v型は232Wから270Wでへ、55v型は205Wから225Wへ若干アップしています。
ランニングコスト面を見ると、MX950への買い替えはおすすめと言えるでしょう。
MX950省エネ性能(1日の電気代)
生活パターン | 75v | 65v | 55v |
---|---|---|---|
省エネA | 117円 | 97円 | 81円 |
省エネB | 39円 | 32円 | 27円 |
高機能A | 176円 | 146円 | 122円 |
高機能B | 59円 | 49円 | 41円 |
新たに採用されたMini LEDバックライトパネルですが、液晶パネルなので耐久性は十分です。
液晶パネルの耐久年数
パネル方式 | 耐久時間 | 耐久日数換算 |
---|---|---|
液晶パネル | 6万時間前後 | 2,500日 |
これらのデータでMX950を評価します。
評価:4.0
Mini LEDバックライト採用なので消費電力など関係ないのだ。
評価:4.0
画質が上がって消費電力が下がるなんてラッキーね。でも、55v型は逆だから注意よ。
評価:4.0
スピーカー構成だけが消費電力減に影響しているのかな?パネルもお家芸のIPSからVAって点も忘れないでね。
映像と音響システムのバランスが変わったモデルであることを理解して選んで下さい。
- 機能と省エネ性能のバランスが良い液晶テレビが欲しい人
- 電気代を気にしつつMini LEDを楽しみたい人
- パナソニックのMini LEDテレビにこだわる人
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4K液晶ビエラ MX900シリーズの省エネ性能とパネル寿命評価
MX900は高機能な小型サイズの液晶テレビですが、消費電力は前モデルのLX900より悪化しています。年間消費電力量に大きな違いはありません。
MX900省エネ性能(1日の電気代)
生活パターン | 50v | 43v |
---|---|---|
省エネA | 61円 | 50円 |
省エネB | 20円 | 17円 |
高機能A | 92円 | 76円 |
高機能B | 31円 | 25円 |
バックライトは直下型分割駆動 高輝度バックライト液晶へ進化しましたが、耐久性に変化はありません。
液晶パネルの耐久年数
パネル方式 | 耐久時間 | 耐久日数換算 |
---|---|---|
液晶パネル | 6万時間前後 | 2,500日 |
これらのデータでMX900を評価します。
評価:3.0
小さいテレビなので消費電力が少なくて当たり前なのだ。
評価:3.5
今期も良くもなく、悪くもなく、ホントど真ん中の普通ね。
評価:3.5
機能が高い分数ワット消費電力が大きいのは仕方ないね。
特に気にするほどの消費電力ではありませんが、このクラスはパナソニックとしてはこだわったモデルなので機能は最高レベルです。
- 小型サイズでも高機能液晶テレビが欲しい人
- 大型サイズのテレビが置けない人
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4K液晶ビエラ MX800シリーズの省エネ性能とパネル寿命評価
MX800は機能を絞ったエントリーモデルですが、前モデルのLX800から省エネ性能の変化はありません。
但し、昨年から電気代が大幅にアップしている点に注意です。
MX800省エネ性能(1日の電気代)
生活パターン | 75v | 65v | 55v | 50v | 43v |
---|---|---|---|---|---|
省エネA | 106円 | 92円 | 68円 | 56円 | 42円 |
省エネB | 35円 | 31円 | 23円 | 19円 | 14円 |
高機能A | 159円 | 138円 | 103円 | 84円 | 63円 |
高機能B | 53円 | 46円 | 34円 | 28円 | 21円 |
パネルの耐久性は通常のパネルレベルです。
液晶パネルの耐久年数
パネル方式 | 耐久時間 | 耐久日数換算 |
---|---|---|
液晶パネル | 6万時間前後 | 2,500日 |
これらのデータでMX800を評価します。
評価:3.0
下位モデルなのに消費電力は普通の液晶テレビと変わらないのだ。
評価:3.5
パネルが進化しているけど省エネ性能に影響が無いところがいいわね。
評価:3.5
消費電力が凄く低ってわけじゃないけどね。
機能がアップしているのに消費電力は変わらない。MX800はなかなか良い出来です。
- パナソニックのテレビが欲しい人
- 超大型サイズをリーズナブルに視聴したい人
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省エネ性能とパネル寿命の評価まとめ2023年モデルパナソニック・ビエラ
評価モデル | |||
---|---|---|---|
MZ2500 | 5.0 | 1.0 | 1.0 |
MZ1800 | 5.0 | 2.0 | 2.0 |
MX950 | 4.0 | 3.5 | 3.5 |
MX900 | 3.0 | 3.5 | 3.5 |
MX800 | 3.0 | 3.5 | 3.5 |
この記事では2023年発売のパナソニック・ビエラの省エネ性能とパネル寿命について評価を行いました。
2023年は電気料金が大幅に値上げされ、テレビの選択も機能だけでなく省エネ性能も注目すべきです。
例えば、500Wの消費電力でも電気代が10円上がれば1時間あたり5円の値上げとなり、1日10時間テレビを使用していれば年間で18,250円も出費が増えます。
機能が高ければ消費する電力量も多くなり、バランスを考えて賢くビエラを選択しましょう。
良い買い物をして下さい♪