Panasonic VIERA 4K液晶テレビ HX900の徹底評価。
前回のセールスポイントに引続き、今回は視聴環境の点から評価を行います。
価格よりも機能を重視
こだわり派
価格がいくら高くても、こだわりの機能には絶対に妥協をしないのだ。
機能と価格のバランスを重視
リーズナブル派
自分の生活にマッチした買い物に拘り、価格に見合わない製品は絶対に購入しないわ。
機能そこそこで価格を重視
コスト重視派
価格が安ければ多少機能が劣っても構わない。一般家庭でハイスペックは不要だね。
では、各人の趣向を踏まえてこの製品を評価して行きましょう♪
4K液晶テレビ パナソニックビエラ HX900 おすすめの「視聴環境」
パナソニックビエラHX900は液晶テレビなので、画面への映り込が有機ELテレビほど気にならないことは既に周知のことです。
また、パネル方式に「IPS」を採用しているため、一部の「VA」方式パネルのように斜めからの映像品質が落ちることはありません。
これら基本的な優位点の他、セールスポイントでも解説した高画質技術がIPS液晶の弱点であるコントラストを補います。
ハイエンド機HX950との違いは、「プレミアム液晶ディスプレイ」の有無だけでしたね。
「プレミアム液晶ディスプレイ」の有無による違いは次の通り(HX900が劣る点)。
- 輝度アップ=バックライトLEDの増量
- 高コントラスト技術の更なる向上=輝度アップ
- ハイダイナミックレンジ(HDR)再現=輝度アップ
HX900に採用された高画質技術も手抜き無し
「プレミアム液晶ディスプレイ」が搭載されていないHX900ですが、肝心の高画質技術はハイエンド機HX950と同等です。
その内容を振り返り、視聴環境の評価に繋げましょう。
Wエリア制御技術を忠実に再現しコントラストアップ
Wエリア制御では、バックライトの明暗をエリアごとに調整しつつ、映像信号を忠実に再現すべくLEDの明るさをコントロールします。
LEDがより多く、広範囲に、高密度に配置されていればいるほど、この制御技術が生きるので「プレミアム液晶ディスプレイ」が有利なのは想像の通り。
しかし、根本的にはこの技術の有無が重要で、元々高輝度である液晶ディスプレイにとってプラスであることには変わりません。
今までは真っ黒に表現されてしまい見えなかった微光も、HX900なら十分再現可能です。
ヘキサクロマドライブの色表現を忠実に再現
ヘキサクロマドライブはパナソニック最高峰の高画質エンジン。
最高の心臓部を備えるHX900であれば、IPSパネルの弱点を補い、より深み(コントラスト)のある映像を再現出来るでしょう。
HDRコンテンツの忠実再現とAI HDRリマスター
昨今の新型テレビでは、当たり前のように「HDR」という技術が目玉として取り上げられていますが、どんな技術か分かりますか?
普通に生活している上では、HDRと言われてもきちんと説明できる人は少ないでしょう。
HDR=High Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)
なんのこっちゃ?っと思いますが、英語を素直に直訳すれば、従来のSDR(スタンダードダイナミックレンジ)より広い?高い?幅が良くなるって感じです。
簡単に機能を書けば、暗い部分の光をより広く再現しつつ、明るい場所も白飛びさせずに映し出す機能ですが分かり難いですよね。
スマホでも何でもいいんですが、室内から外の明るい景色を写真撮影した際、外の明るさに合わせると室内が真っ黒になった経験はありませんか?
逆に室内の明るさに合わせて撮影すると、外の景色は明るすぎて真っ白になります。
この陰影の差を拾い上げ、より人間の目に近い映像にできたら素晴らしいですよね。
しかし、カメラは人間の目のように優秀では無いので、どちらかの明るさに合わせた像しか記録できません。
そこで、各々の明るさで撮影した映像を合成し、人間の目に近い陰影を再現するのがHDRという技術です。
解説が長くなりましたが、パナソニックのHPにある上の写真が分かり易いでしょう。
顔の部分と背景について、左側は黒潰れしていますが、右側の写真は陰影も含め細かく再現されているのが分かります。
HDR技術があれば、今まで見えなかった部分が見え、より深みのある立体的な映像が再現可能。
ちなみに、上の写真は一般放送のSDRデータをHDRレベルへ引き上げる機能を表しており、HX900は地デジ放送でもメリハリのある映像が楽しめそうです。
HX900 テレビサイズの選び方
VIERA HX900のサイズバリエーションは超大型の75型を含む、65型、55型、三つのバリエーション。
購入サイズの選択方法は、4K映像を見るかHD映像を見るかソースによって異なってきます。
視聴距離 | 4K | フルHD |
---|---|---|
200cm (6畳) | 100型 (インチ) | 52型 (インチ) |
350cm (8畳) | 190型 (インチ) | 94型 (インチ) |
- 地デジ放送メインの狭い部屋であれば「55型」を視野に
- それ以外の場合はより大きいサイズがおすすめ(予算次第)
パナソニックビエラ最大サイズの75型を有するHX900です。
サイズの主流は55型だけど、徐々に65型へシフトしつつあるので、より大きいサイズを展開して価格をどんどん下げて欲しいね。
全体的に見るとパナソニックのサイズ展開はちょっと弱い感じなのだ。技術力に問題があるのか?ちょっと疑ってしまうのだ。
視聴距離と画面サイズの記事はこちらから‼
4K液晶テレビ パナソニックビエラ HX900 おすすめの「設置スペース」
Panasonic VIERA HX900 を設置する際に必要な理想的なスペースと、最適な視聴高さを実現するテレビ台を解説します。
- HX900は「卓上スタンド」の重量に注意
- HX900はデザイン的に「画面とテレビ台の設置距離が長い」(高くなる)
- 卓上スタンドを使用時のパネルに傾きは無い
VIERA HX900の各サイズに関して、基本の寸法、重量について確認すると共に、テレビを設置する上で最低必要なスペースを理解しましょう。
TH-55HX900(55型・インチ)
HX900 55型(インチ)の重量
総重量 | 本体のみ | 卓上スタンドのみ |
---|---|---|
23.0㎏ | 18.0㎏ | 5.0㎏ |
HX900 55型(インチ) テレビ本体の必要スペース
理想的な 横幅 | 理想的な 縦幅 | 理想的な 奥行き |
---|---|---|
1,400㎜ (140㎝) | 800㎜ (80㎝) | 400㎜ (40㎝) |
TH-65HX900(65型・インチ)
HX900 65型(インチ)の重量
総重量 | 本体のみ | 卓上スタンドのみ |
---|---|---|
32.5㎏ | 27.5㎏ | 5.0㎏ |
HX900 65型(インチ) テレビ本体の必要スペース
理想的な 横幅 | 理想的な 縦幅 | 理想的な 奥行き |
---|---|---|
1,700㎜ (170㎝) | 950㎜ (95㎝) | 450㎜ (45㎝) |
TH-75HX900(75型・インチ)
HX900 75型(インチ)の重量
総重量 | 本体のみ | 卓上スタンドのみ |
---|---|---|
60.0㎏ | 53.0㎏ | 7.0㎏ |
HX900 75型(インチ) テレビ本体の必要スペース
理想的な 横幅 | 理想的な 縦幅 | 理想的な 奥行き |
---|---|---|
2,000㎜ (200㎝) | 1200㎜ (120㎝) | 500㎜ (50㎝) |
HX900を理想的な高さで視聴できるテレビ台
ここでは、ビエラHX900を最適な高さに関する理由と、理想的な高さで視聴するためのテレビ台の高さに言及します。
上図は、一般家庭でテレビを視聴するパターン別に、テレビサイズ毎に目線の高さをイメージした内容です。
視点の高さから左下の様にテレビ台やテレビスタンドの数値を算出していますが、基本は座椅子の高さを目線の中心線に置けば大抵のパターンに当てはまるのが分かるでしょう。
この図を参考に、HX900にマッチする理想的な視聴高さを探ります。
HX900のテレビ台を選ぶ際の注意点
最適なテレビ台のサイズについて結論を出す前に、パナソニックビエラHX900を設置する際の注意点を確認しましょう。
ビエラHX900 卓上スタンドの特殊性
寸法図の通り、ビエラHX900の卓上スタンドは省スペースタイプです。但し転倒防止の吸盤が設置されているので、テレビ台は吸着し易い表面仕上げのものを選んだ方が良いでしょう。また、ディスプレイ下部まで52mm(75型は67mm)の高さがあることも要注意です。
首振り機能は無いけど、有機ELビエラ「HZ1800」「HZ1000」、ハイエンド機「HX950」と同じものね。
転倒防止の吸着面はシボ(皺のよう表面デザイン)が深い場合は確認が必要ね。
そうですね。心配な場合はツルツルした表面のテレビ台を選びましょう。今期はこの卓上スタンドが最大の流用品ですね。
ビエラHX900 の卓上スタンド重量
首振り機能は無いけど、流用品なのか?ハイエンド機HX950同様に単体5kgという高重量。転倒防止機能が重いのですね。
超と言って良い「省スペースタイプ」で重量のある本体を支えるんだから仕方ないのでは?でも、確かに卓上スタンドを含む重量は液晶テレビの中では重い方だね。
そうですね、卓上スタンドはコンパクトで素晴らしいんです。でも、確かに重いので、耐荷重性のあるテレビ台を選択することが重要です。
設置スペース的にはメリットが多いから良いのだ。
卓上スタンド使用時は、スペースよりも重さ重視で考えましょう。
そうよ、卓上スタンドを利用するテレビ台を使用する際は重量に注意してね。特に既存のテレビ台を流用する際は、必ず耐荷重性の確認を行うべきね。
CHECK!
- ディスプレイ下部まで高さがあることを考慮しテレビ台を選ぶ
- 卓上スタンドを使用する場合は耐荷重性を先ず重視する
HX900 理想的なテレビ台のスペック
これまでの情報を加味すると「耐荷重」を満たすことを前提に、以下のサイズ前後が「HX900」では適切なテレビ台の条件と言えます。
但し、あくまでも想定は一般家庭なので、使途に合わせてサイズ調整を行いましょう。
項目 | 55型 | 65型 | 75型 |
---|---|---|---|
理想的な 横幅 | 1,500㎜ 以上 (150㎝) | 1,800㎜ 以上 (180㎝) | 2,000㎜ 以上 (200㎝) |
理想的な TV台高さ | 383㎜ (38.3㎝) | 318㎜ (31.8㎝) | 246㎜ (24.6㎝) |
理想的な 奥行き | 400㎜ 前後 (40㎝) | 400㎜ 前後 (40㎝) | 400㎜ 前後 (40㎝) |
耐荷重 | 25㎏以上 | 35㎏以上 | 65㎏以上 |
「横幅」については画面の大きさに合わせたバランスで長さを設定していますが、基本的には「耐荷重」をクリアーし、バランスよく設置できればこだわる必要はありません。
また、「奥行き」については「耐荷重」とバランスだけでなく、安定性も考慮しなるべく広いテレビ台を選びましょう。
そして、ストレス無く視聴できる高さについては、「理想的高さ」であれば一般家庭での視聴は概ね対応可能です。
和式中心、洋式中心という選択肢の中で「理想的高さ」を基準に高低を計算できるので、テレビ台選びの参考にして下さい。
参考までに比較的リーズナブルなテレビ台を紹介しています。
コスト優先で選択するなら(最大65型)
- 高さ28.2㎝でほぼ全サイズで最適な視聴高さを実現可能
- 人気商品なのでクチコミ多数
- 高級感が薄い
高さ調整可能で安心の朝日木材加工(最大65型)
- 31.8㎝と43.8㎝の2つの高さが選べほぼ全サイズで最適な視聴高さを実現可能
- 一部の色をおしゃれに変えられる
- 耐荷重注意(55型が限界)
最大77型まで対応可能な朝日木材加工のローボード
- 高さ31.8㎝でほぼ全サイズで最適な視聴高さを実現可能
- サイズは幅80㎝から177㎝まで6バリエーション
- 75型は耐荷重ギリギリ
HX900を理想的な高さで視聴できるテレビスタンド
基本的な考え方はテレビ台選びと同じです。
しかし、テレビスタンドの場合は「壁掛け」同様にテレビスタンドを接続するテレビ本体のVERSAというネジ位置が高さに影響を与えます。
ただ単に台の上に置くだけなら簡単ですが、テレビスタンドの場合、接続位置を確認するだけでは接続後のテレビ画面のセンター位置は分かりません。
各機種の各サイズでVESA位置が異なるため、テレビスタンドの選定は少し複雑なことを先ずは理解しましょう。
ビエラHX900とテレビスタンドの相性
パナソニックビエラHX900のサイズバリエーションは75/65/55型の3種類で、75型以外は人気サイズなので適合するテレビスタンドの種類は多いです。
但し、テレビスタンドに本体を設置した際のセンター位置で最も適応範囲の多い「80cm」になる製品は限られます。
HX900に適合したテレビスタンドから、最適(もしくは自身が求める)な視聴高さになる製品を選びましょう。
ビエラHX900はテレビスタンドだと視点が高くなる
HX900のテレビスタンドは、全てのサイズで設置位置が少し高くなる傾向です。
どうして高い位置になっちゃうの?
テレビ背面にあるテレビスタンドと接続する「VESA位置」が影響しています。HX900のVESA位置はセンターより下部にあり、センターにVESAを配置した場合と比べ、テレビスタンドに設置するとテレビ本体が少し高くなるのです。
テレビ台みたいに理想のセンター位置「80cm」をクリアーする適合製品も少ないんだね?
そうですね、選択肢は非常に狭くなりますが、テレビ台とは違いテレビスタンドは高さ調整が出来るメリットがあります。その高さ調整を逆手に取ると、以下の製品が65/55型では理想的と言えます。
面白いのは下方向であれば無段階に調整が可能で、最大高さの取付位置は65型で100.3cm前後、55型で91.8cm前後と多少高いですが、下限へ調整すれば全ての視聴位置でベストな状態となります。耐荷重も70kgと最高水準のレベルで安心ですね。
75型は唯一以下のテレビスタンドが適合します。
最新のEQUALS WALL「V4」です。60〜90型の超大型サイズ用に開発されたテレビスタンドで、今までとは違い目線の高さも意識されています。
75型のHX900ならおよそ90㎝の高さがセンターとなるので、ほぼ全ての視聴環境を網羅できます。
他のサイズはEQUALSのWALLは適合しないの?
若干センターが高くなりますが、ほとんどの製品が使用可能です。
テレビスタンド欲しかったけど、何が適合するか分からなかったんだ。こうやって適合する最適な製品を紹介されると選びやすいね。
テレビスタンドの選び方については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にして下さい。
失敗しない「テレビスタンド」の選び方~7つの重要ポイントを解説
また、HX900に最適なおすすめのテレビスタンド情報はこちらを見れば全て分かります。
ビエラHX900 設置スペースの最終評価
それでは、HX900の設置スペースに関して最終評価を行って下さい。
評価:4.0
有機ELテレビと比べればとっても軽いし、置き場所には困らないのだ。
評価:3.0
卓上スタンドは確かに重いけど、省スペースタイプだし耐荷重に注意すれば問題無いわ。本体だけなら普通の重さだから、テレビスタンドも気軽に使えるわね。
評価:3.0
今期のパナソニック、この卓上スタンド形状はスペースを有効活用できる超省スペースタイプだよ。デザインが好きならおすすめだね。
テレビ台、テレビスタンド選びは「おしゃれでおすすめなテレビ台選びで最も重要な基礎知識を忘れていませんか?」で書いた通り耐荷重性能が重要です。
4K液晶テレビHX900の「視聴環境」総合評価
では、これまで確認したHX900の視聴環境について総合評価を行ってもらいましょう。
評価:3.3
デザイン的にはどうも馴染めないが、卓上スタンドは良く考えられた内容なのだ。置き場所の幅を広げるのだ。
評価:3.5
映像美の強化、安全性の高い省スペースタイプの卓上スタンドは高評価ね。
評価:3.5
省スペースタイプなのは評価するけど、今期採用の卓上スタンドはあまり好きじゃないなかった。でも、実物は結構良かったなぁ~。
デザインの好みが分かれるものの、卓上スタンドの省スペース性、安全性は誰しも認める内容です。視聴環境も整え易そうですね。引続き「機能」について評価します。以下のリンクから移動して下さい。
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