有機ELテレビを買わない理由|特に引退世帯にはおすすめしません

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有機ELテレビ、既に皆さん、店頭で美しい映像に引き込まれた経験をお持ちでしょう。

 

黒の発色が良く、奥深い立体的な再現力。一目で、有機ELテレビの圧倒的な画力は、今後のテレビを牽引する技術であることは誰しも理解しているはずです。主な視聴目的が、地デジなどではなく、最高水準の映像コンテンツを目的とするならば、現状、これ以上のパネルは無いのですから。

 

しかし、わたしは有機ELテレビを購入しませんでした

 

テレビの購入を検討する人は、まずは現在人気の機種から調査を始めます。最初は普通の液晶画面を検討し、液晶の中にも大きく2つ、IPSとVAを知って悩み始めます。価格.comのコメント評価を見ると、玄人好みの人はVAパネルを押します。

 

確かに、映像の深みを得るには最適なパネルですが、正面から見ないとその真価が分からないというデメリットがあります。一方でIPSパネルは、斜めから見ても見やすいというメリットがありますが、VAパネルと比較して映像にシャープさが無いと言われています。

 

実際のところは、自分自身の目で判断すべきですが、普通のお家であれば大画面テレビはリビングに設置することが多く、視野性能の高いIPS方式の方が実用性が高いでしょう。メーカーサイドもマーケティングでその程度の情報はつかんでおり、IPS方式を中心に売り込んでいる実情が垣間見れます。

 

テレビの評価や人気は時代によって多少の移り変わりがあります。10年前であれば、東芝のレグザが人気でしたが、昨今は2強、パナソニックとソニーで買い替えに悩む人が多いようです。

 

レグザについては、東芝本体の経営が揺らいだことにより、ハイセンスという中国メーカーの資本が入ることで評価を落としています。

 

テレビの場合、ブランド力が大きく影響するため、ハイセンスというブランドを毛嫌いする日本人は多く、レグザのブランド価値が大きく下がっているのは事実でしょう。

 

わたしもそんな既成概念を持ち、古いレグザの買い替え対象はパナソニックと最初は決めていました。そのためほぼ盲目状態で、店頭へ行っても他のメーカーには目もくれずにパナソニックの展示ブースのみに通い続ける毎日でした。

 

その気持ちに変化をつけたのは4Kチューナー内蔵テレビという選択肢でしたが、それについては別の記事に詳しく書いてあるのでそちらをご覧下さい。

 

 

そんな盲目状態でパナソニックの展示ブースに通い詰めていた日々、お目当ての機種はもちろん、そこで出会ったのが「有機ELテレビ」の圧倒的な画質です。

 

一時は有機ELテレビも選択肢に入ったほど検討を行いましたが、色々と調べて行くうちに、有機ELテレビのデメリットが画質の良さというメリットをわたしの考えでは凌駕し始めたのです。

 

その理由が何であったのかを明確にしますので、皆さんの買い替えの参考として下さい。

 

有機ELテレビを買わなかった5つの理由

結論から書けば、以下の5つが購入しなかった大きな理由です。

それぞれの詳細を続いて説明します。

 

  1. パネルの寿命が短い
  2. 消費電力が大きい
  3. パネルが焼き付く
  4. 昼間のリビングでは見難い
  5. 値段が高い(投資対効果が低い)

有機ELテレビは「パネルの寿命が短い」

パネルの寿命については色々な見解があります。歩留まりが未だ悪い状況にも係わらず、生産元のLGでは、寿命の問題は解決した(約10万時間)と発表しています。しかし、品質が安定していない製品のため、そのバラつきは不明です。

 

パネル技術による寿命の比較

液晶パネル 6万時間前後
有機ELパネル 3万時間前後
旧来のブラウン管 2万時間前後

液晶パネルの寿命が圧倒的であることが伺えます。少し驚いたのが、ブラウン管の寿命です。このブラウン管の基準があって、テレビって10年もたないものと思い込んでいました

 

地デジ普及の際、一斉に液晶テレビへシフトしたことは記憶に新しいですが、今考えれば10年以上経過した液晶テレビでも、ほとんどの家庭では普通に使っている(使えている)のです。

実働時間から寿命を考えてみる

昔のブラウン管テレビと比較して、有機ELテレビの方がまだ寿命が長いから問題ない。という考えもあります。液晶テレビになって、ブラウン管テレビと比較して値段も安くなった。ブラウン管テレビの感覚でお金を出し、寿命についても同程度で構わないのであれば、選択は有機ELテレビでしょう。

 

しかし、性能の進化も含め、テレビは大体10年周期で買い替えを行いたいという家庭があれば、有機ELテレビは現在のパネル寿命ではおすすめできません。

 

特に仕事を引退された家庭や、テレビが大好きな高齢世帯の場合については、一日中テレビをつけている場合もあるため、その使用環境では5年程度で寿命が来る有機ELテレビの購入は避けた方が良いでしょう。

 

何時間もつか?では実用性が分からないので、使用環境による比較も行ってみました。

 

液晶パネル 有機ELパネル ブラウン管
①昼間留守が多い

(共働き家庭など)

17.73年 8.87年 5.91年
②一日中家にいる

(引退世帯など)

10.29年 5.14年 3.43年
③昼夜逆転家族がいる 13.09年 6.55年 4.36年

 

①は共働きで昼間はほとんどテレビを見ない世帯を想定しました。

視聴時間 平日=6:00~7:00、18:00~24:00  土日休日=8:00~23:00

 

  • 1週間の視聴時間合計=65時間(平日7時間+休日15時間)
  • 1ケ月の視聴時間合計=282時間(4.34週/月、52週/年で換算)
  • 1年間の視聴時間合計=3,384時間

 

②は仕事を引退した人や老後の世帯など、ほとんど家に居て、1日中テレビを見る世帯を想定。

視聴時間 全日=6:00~22:00

 

  • 1週間の視聴時間合計=112時間
  • 1ケ月の視聴時間合計=486時間(4.34週/月、52週/年で換算)
  • 1年間の視聴時間合計=5,833時間

 

③は大学生やフリーター、ニートの子供が居る世帯。

視聴時間 平日=6:00~7:00、18:00~翌日午前3:00  土日休日=8:00~翌日午前3:00

 

  • 1週間の視聴時間合計=88時間(平日10時間+休日19時間)
  • 1ケ月の視聴時間合計=382時間(4.34週/月、52週/年で換算)
  • 1年間の視聴時間合計=4,583時間

 

液晶テレビの頑丈さが際立ちます。

 

有機ELテレビは「消費電力が大きい」

液晶テレビに変わって、大きく変化したのが電気代でした。ブラウン管やプラズマに比べ液晶の消費電力は低く、今では年間消費電力も購入の選択肢として重要なファクター(要素)となっています。

 

実際の電力消費量はどの程度なのか?

55型テレビでの比較です。

 

有機ELテレビ 液晶テレビ
Panasonic

FZ100

TOSHIBA

X920

Panasonic

GX850

TOSHIBA

Z720X

消費電力 388W 385W 176W 259W
年間消費電力 176kwh 216kwh 136kwh 156kwh

 

消費電力で有機ELテレビは、Panasonicでは倍以上、TOSHIBAは1.5倍です。一方年間消費電力では、Panasonicで1.3倍、TOSHIBAで1.4倍。

 

ちなみに、年間消費電力とは省エネ法に準拠し計算(1日4.5Hの動作時間/1日19.5Hの待機時間で算出)とのことです。昼間留守になる家庭と比較しても半分程度の見積りです。

 

年間のランニングコスト

1kwhの電気代を中間値の26円で算定してみます。

 

Panasonic TOSHIBA
FZ100 GX850 X920 Z720X
年間消費電力 176kwh 136kwh 216kwh 156kwh
年間の電気代 4,576円 3,536円 5,616円 4,056円
1,040円 1,560円

 

その差は御覧の通りです。

 

しかし、実際はこの倍はテレビを利用しているはずなので、差も倍であると考えた方が良いでしょう。これが大きいか小さいかについては各自の判断となります。

 

有機ELテレビは「パネルが焼き付く」

パネル寿命で書いた、モデルケースの「昼夜逆転の家族がいる」場合、テレビを視聴すること以外に、ゲームなどを行うケースも増えると思います。その時に気になるのが「画面(パネル)の焼き付き」です。

 

昔のブラウン管テレビではよく起こっていましたが、液晶テレビと比較して、有機ELテレビではこの問題が発生する確率が高いと言えます。

 

焼き付きについては、購入後1~2年で発生したなどの事例があります。もともとパネル寿命が短く、値段も高いのに、更に寿命を縮める要素があるのだから、「今は買い」とは言えないのです。

 

有機ELテレビは「昼間のリビングでは見難い」

店頭のデモではとても美しかった有機ELテレビですが、実際に家で使用する場合、あちこちの窓から入り込む光が画面に反射して見難いとい事象をよく聞きます。

 

なぜ光の反射が大きくなるのか?

ひとつは画面の表面が「グレア」であることが影響しています。パソコンの画面に詳しい人は分かるでしょうが、画面の表面は「グレア」と「ノングレア」あります。簡単に言うと「グレア」はピカピカしている画面、「ノングレア」は艶消しの画面です。

 

ここまで書けば分かると思いますが、「グレア」タイプの画面は、色の発色性能がより明るく綺麗に見える一方、光の吸収が無く、外の光を反射し易いのです。有機ELテレビは更なる画質の向上を図るため、「グレア」タイプの画面を採用していることが多いのです。

 

また、大きな問題として、液晶よりも最高輝度が低いということが挙げられます。この理由でグレア画面を採用しているとも言えますが、昼間、特に明るいリビングをお持ちの家庭では相当見難くなるという口コミが散見されています。

昼間テレビを見る家庭は買い替えを待った方がいい

既に定年された家庭やご高齢の家庭では、テレビを昼間見ることが多くなります。その場合、画面の醜さがストレスとなるため、当面は液晶テレビを選択する方がよいでしょう。

 

今後、これらの技術は間違いなく改善されるので、その時を待ってから購入するのでも遅くはないとわたしは考えました。

 

有機ELテレビは「値段が高い(投資対効果が低い)」

未だ安定しない技術なので、生産現場では非常に歩留まりが悪い(良品率が低い)そうです。その結果、値段が高くなっても仕方ありません。しかし、パネルの寿命が短いため、実際の投資効果は更に悪くなることは既に皆さんお気づきのことでしょう。

値段の差はどの程度開いているのか?

4Kチューナーが内蔵されていないPanasonicのモデルで比較してみましょう。

基準は液晶のEX850と考えた場合、価格.comの最安値でFZ950との差は約5万円、FZ1000とでは何と9万円の差があります。

 

パネル寿命は倍の開きがありますので、パネル寿命まで勘案すれば10万円~18万円の価格差だと考えて良いでしょう。更に省エネ性能でも差がつきますが、ここでは割愛します。

 

今後安くなるのか?

間違いなく安くなるでしょう

 

その理由は、先に書いた通り生産ラインの歩留まりの悪さにあります。ここを改善できれば自然と生産単価は落ちますので、何れ消費者へ還元されます。

 

また、現在はほぼLGの独占状態ですが、技術が確立すれば再び過当競争となる可能性もあります。しかし、液晶パネルメーカーのほとんどは、韓国の進撃に遭い疲弊し、軒並み赤字となり、一部では撤退も与儀なくされ、今後同様の泥試合に参加する企業が現れるかがカギとなります。

 

その他、新技術によるゲームチェンジの可能性もあります。新技術によって、韓国の寡占状態を打破することが日本経済を救うきっかけになって欲しいものです。

 

それでも有機ELテレビを買いますか?

ここまで読んで頂きありがとうございます。

わたしの記事を見て、それでも有機ELテレビを買いますか?

 

買うな!と言っているのではありません。もうちょっと待った方が、より満足な買い物に繋がるという思いで書いています。有機ELテレビの画質の良さは最高なので、問題を早々にクリアーし、わたしも早く手に入れたいと思っています。

 

参考になれば幸いです。

 

そして、品質安定、コストダウンが行われないまま新技術の足音が・・・

 

 

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