この記事では、2023年発売モデルのSHARP(シャープ)のテレビブランドであるAQUOS(アクオス)について、耐久性に関する「省エネ性能とパネル寿命」の評価を行いました。
性能と省エネ性能は反比例し、パネル寿命も同じく映像美が際立つ有機ELパネルの方が耐久性に劣ります。
機能満載の方が楽しいテレビライフが過ごせそうですが、購入価格が高くて、ランニングコストである電気代も高いとなると慎重に考えることが肝要です。
もちろん、買い替えサイクルに影響するパネル寿命も重要。
シャープ・アクオス2023年モデル、FS1・FQ1・FN1・FN2・FL1の省エネ性能とパネル寿命を知って、物価高のご時世であっても賢く過ごせるテレビを選択しましょう。
【この記事で解決する疑問と悩み】
- 2023年発売シャープアクオスの省エネ性とパネル寿命の把握
- シリーズごとの省エネ性とパネル寿命の違い
- 対象:FS1・FQ1・FN1・FN2・FL1
長年製造業に従事し豊富な知見を活かした
分析が得意なブロガー
えだまめくん
edamamekun
シャープアクオス2023モデル|FS1・FQ1・FN1・FN2・FL1|
シャープアクオスの2023年発売モデルの概要は以下の通り。
「詳細確認」ボタンから各モデルの詳細へジャンプできます。
FS1 | FQ1 | FN1 | FN2 | FL1 | |
---|---|---|---|---|---|
映像 | 有機EL 量子ドット | 有機EL | 液晶 | 液晶 | 液晶 |
音響 | 立体音響 | 立体音響 | 立体音響 | 立体音響 | 立体音響 |
サイズ 展開 | 65v|55v | 65v|55v | 75v|65v |55v | 55v|50v |43v | 65v|50v |42v |
進化 レベル | 中 | 普通 | 普通 | 普通 | 普通 |
デザイン | 普通 | 普通 | 普通 | 微妙 | 微妙 |
価格 | 高い | 高い | 普通 | 普通 | 安い |
詳細確認 | 詳細確認 | 詳細確認 | 詳細確認 | 詳細確認 |
2023年モデル アクオス パネル寿命の比較シャープ・アクオス
パネルの寿命は日進月歩で変化しており一概に寿命を単純に想定できませんが、一般的には下表の耐久年数が目安となります。
パネル方式 | 耐久時間 | 耐久日数換算 |
---|---|---|
ブラウン管 | 2万時間前後 | 833日 |
液晶パネル | 6万時間前後 | 2,500日 |
有機ELパネル | 3万時間前後 | 1,250日 |
2023年モデル アクオス 消費電力量の比較シャープ・アクオス
型 | 電力 | FS1 | FQ1 | FN1 | FN2 | FL1 |
---|---|---|---|---|---|---|
77v | 消費電力 (W) | - | - | - | - | - |
年間消費 電力量 (kWh) | - | - | - | - | - | |
75v | 消費電力 (W) | - | - | 400 | - | - |
年間消費 電力量 (kWh) | - | - | 250 | - | - | |
70v | 消費電力 (W) | - | - | - | - | - |
年間消費 電力量 (kWh) | - | - | - | - | - | |
65v | 消費電力 (W) | 543 | 510 | 274 | - | 259 |
年間消費 電力量 (kWh) | 257 | 229 | 192 | - | 197 | |
60v | 消費電力 (W) | - | - | - | - | |
年間消費 電力量 (kWh) | - | - | - | - | ||
55v | 消費電力 (W) | 413 | 408 | 198 | 180 | - |
年間消費 電力量 (kWh) | 209 | 180 | 170 | 166 | - | |
50v | 消費電力 (W) | - | - | - | 179 | 151 |
年間消費 電力量 (kWh) | - | - | - | 162 | 138 | |
48v | 消費電力 (W) | - | - | - | - | - |
年間消費 電力量 (kWh) | - | - | - | - | - | |
43v | 消費電力 (W) | - | - | - | 159 | - |
年間消費 電力量 (kWh) | - | - | - | 136 | - | |
42v | 消費電力 (W) | - | - | - | - | 155 |
年間消費 電力量 (kWh) | - | - | - | - | 137 |
消費電力と年間消費電力量って何が違うの?って人もいるから、ちゃんと説明してね。
電力の基本知識
2023年モデルアクオスの省エネ性能を分析する前に、簡単に電力に関する基礎知識を学んでおきましょう。
消費電力(W)とは
対象のテレビを利用するために必要なパワー(電力)の数値で、W(ワット)で表します。
電力(W)は電圧(V=ボルト〜一般家庭は100V)と電流(A=アンペア)を掛けて算出します。
例えば、一般家庭のコンセント100Vに対し5Aの電流を必要とする機器の消費電力は500Wで、これを1時間使用すると500Wh(h=1時間)の電量が消費されるわけですね。
電力使用料は1時間あたりの単価をkWh(k=1,000倍)で表すので、500Whの電力を1,000で割って0.5kWhとなり、これに1時間あたりの電力単価を掛ければ電気代が算出可能。
仮に1時間あたりの電気使用料が27円なら、0.5kWh×27円で1時間あたり13.5円の電気代が必要となります。
しかし、テレビの場合、消費電力(W)はその機種の最大値を表すので、画像を暗くしたりボリュームを下げることで消費電力は低く抑えられ実際は表示の消費電力をフルに使用することはありません。
実際の使用時間に対し、70%〜80%程度を見込んで計算すると近い値になるでしょう。
省エネは画質(輝度ダウン)や音質(音を小さく)の犠牲で対策できますが、、やはり初めから消費電力表示が小さいほど省エネ性能が優れていると言えます。
ただし、古い価値観で主電源を切る省エネ対策は新しいテレビでは行うべきでなく、その理由は以下の記事で詳しく解説しています。
年間消費電力量(kWh)とは
テレビの説明書に記載された年間消費電力量(kWh)は、経産省の省エネ基準で算定した数値で、車の燃費表示同様に使用環境によってはあまりあてになりません。
2023年モデルは2012年の目標値と2026年の新しい目標値が混在しているため注意が必要です(2012年目標値の方が低く算出される)。
算出方法は複雑なので、2012年の目標値に関する計算方法のポイントだけを書くと次のとおり。
- 1日の平均視聴時間(5.1時間)
- 電子番組表取得時間を含む待機時間(18.9時間)
- テレビ使用時はスタンダードモード
- 節電機能設定時電力を係数で按分
2012年基準の前は1日の平均視聴時間は4.5時間という設定が多かったので、2026年目標のハードルは2012年基準よりも高くなっていることは明白です。
ハイセンスのMini LED液晶モデル「75U9H」のカタログ値では、年間消費電力の2012年基準が200kWh、2026年基準が240kWhで40kWhもの差が発生していました。
何にしても企業ベースで算出される年間消費電力については参考程度と考えた方が良いでしょう。
2023アクオスの生活環境で変わる電気代
電気代はテレビを使用する家庭環境で大きな差が生じます。
- テレビの使用時間が長い
- ハイスペックな機能を利用し視聴する
分かりやすいよう2つの生活パターンに分け、それぞれ2つの視聴方法で発生する1日の電気代を独自算定しました。
算定根拠
生活パターンの違い
1日中テレビを見る (付けている)生活 | 【生活パターンA】昼間は留守で 夜テレビを見る生活 | 【生活パターンB】
---|---|
<視聴時間> 6:00〜21:00 15時間/日 | <視聴時間> 6:00〜7:00 19:00〜23:00 5時間/日 |
視聴方法の違い
【省エネ視聴】 | 【高機能視聴】 |
---|---|
映像輝度や音声を抑え、省エネモードで視聴 消費電力の60%で計算 | テレビの性能を上げて視聴 消費電力の90%で計算 |
電気代
1kWhの単価 |
---|
40.0円 |
注:電気代高騰に合わせ、2022年の27.0円から変更
2023年モデル アクオス 省エネ性能とパネル寿命の評価シャープ・アクオス
2023年発売のシャープ・アクオスの省エネ性能を全てのラインナップ(FS1・FQ1・FN1・FN2・FL1)で評価しました。
また、この記事独自の視点とそれぞれのモデルにマッチする購買層も明確にしています。
4K有機ELアクオス FS1シリーズの省エネ性能とパネル寿命評価
FS1ラインの消費電力から算出されるランニングコスト(電気代)は視聴方法で大きく変わります。
シャープアクオスのフラッグシップモデルとして最高レベルの機能を有しているFS1ラインは、そのポテンシャルを最大限発揮させるには大きな消費電力が必要だから。
最大サイズの65vを例にとると、テレビに依存する生活環境だと1日に98円の差が生じ、年間に換算すると3.5万円以上も余計にコストがかかってしまう。
せっかく高性能な機能を有してしても、それを発揮できる生活レベルでないと宝の持ち腐れになってしまいます。
FS1省エネ性能(1日の電気代)
生活パターン | 65v | 55v |
---|---|---|
省エネA | 195円 | 184円 |
省エネB | 65円 | 61円 |
高機能A | 293円 | 275円 |
高機能B | 98円 | 92円 |
パネルについては最新の有機ELパネルなので従来より耐久性が上がっているものの、液晶パネルの6万時間には到底及びません。
有機ELパネルの耐久年数
パネル方式 | 耐久時間 | 耐久日数換算 |
---|---|---|
有機ELパネル | 3万時間前後 | 1,250日 |
これらのデータでFS1ラインを評価します。
評価:5.0
有機ELテレビに省エネ性能を求めても仕方ないのだ。
評価:1.0
いい加減何とかならないの?有機ELテレビの電気代。特にアクオスは悪いわね。
評価:1.0
今期も結局どこのメーカーもフラッグシップモデルは凄い電気代だね。頑張ってるのはブラビアだけだ。
今期も引続きフラッグシップモデルは65vで500W超がデフォ?と思うくらいブラビア以外は横並びです。
- アクオス最高レベルを求める人
- 電気代を気にしない人
- 買い替えサイクルが短い人
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4K有機ELアクオス FQ1シリーズの省エネ性能とパネル寿命評価
FQ1ラインの消費電力から算出されるランニングコスト(電気代)は視聴方法で大きく変わります。
シャープ4K有機ELアクオスのセカンドモデルであるFQ1ラインは、機能がフラッグシップモデル並みなので消費電力もかなり大きい。
機能を優先させるか、省エネ性能を取るか悩ましいモデルなので注意が必要でしょう。
FQ1省エネ性能(1日の電気代)
生活パターン | 65v | 55v |
---|---|---|
省エネA | 184円 | 147円 |
省エネB | 61円 | 49円 |
高機能A | 275円 | 220円 |
高機能B | 92円 | 73円 |
パネルについては最新の有機ELパネルなので従来より耐久性が上がっているものの、液晶パネルの6万時間には到底及びません。
有機ELパネルの耐久年数
パネル方式 | 耐久時間 | 耐久日数換算 |
---|---|---|
有機ELパネル | 3万時間前後 | 1,250日 |
これらのデータでFQ1を評価します。
評価:4.0
前フラッグシップとほぼ同じ内容だから消費電力が大きくても驚かないなのだ。
評価:1.0
セカンドモデルでこの消費電力は凄いわね。性能アップも考えものだわ。
評価:1.0
アクオスは省エネ性能が全体的に低いし、僕は貧乏だから有機ELテレビは眼中に無いよ。
有機ELテレビセカンドモデルは本体価格はもちろん、ランニングコストも安くないと意味ないですね。
- 1世代前の技術で電気代が高くてもいい人
- 本体価格重視の人
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4K液晶アクオス FN1シリーズの省エネ性能とパネル寿命評価
FN1は直下型LEDエリア(分割)駆動のバックライトを採用しています。
パネルの性能はアップしましたが、消費電力は微増に留まり、年間消費電力量に至っては大幅に改善されています。
消費電力に影響を与えるスピーカーの出力もアップしているので、総合的に見ても省エネ性能が向上したモデルと言えるでしょう。
FN1省エネ性能(1日の電気代)
生活パターン | 75v | 65v | 55v |
---|---|---|---|
省エネA | 144円 | 99円 | 71円 |
省エネB | 48円 | 33円 | 24円 |
高機能A | 216円 | 148円 | 107円 |
高機能B | 72円 | 49円 | 36円 |
技術が成熟した直下型部分駆動のLEDバックライトパネルなので、パネルの耐久性能は安定しています。
液晶パネルの耐久年数
パネル方式 | 耐久時間 | 耐久日数換算 |
---|---|---|
液晶パネル | 6万時間前後 | 2,500日 |
これらのデータでFN1を評価します。
評価:3.0
液晶は性能がアップしても電気代が変わらないのだ。
評価:4.0
他社と比較すると普通の内容だけど、前モデルと比較すると省エネ性能はアップしたわね。
評価:4.0
そうなんだよね、他社と比較すると進化してるとは言えないよ。
メーカー内で見れば性能がアップし省エネ性能も向上。でも他社との競争力は未だ劣っています。
- アクオスのMini LEDが買えない人
- 倍速機能付きの液晶テレビが欲しい人
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4K液晶アクオス FN2シリーズの省エネ性能とパネル寿命評価
FN2はサイズによってバックライト方式が違うという注意点があります。
43v型はパネル全面にLEDを敷いた「直下型LED」で、55v型/50v型がパネルフレーム部にLEDを配した「エッジタイプLED」です。
消費電力はさほど変わりませんが、映像表現には差があるので選択時には注意が必要。
この様にバックライト方式をきちんと明言しているアクオスは、信頼度の高いメーカーと感じます。
FN2省エネ性能(1日の電気代)
生活パターン | 55v | 50v | 43v |
---|---|---|---|
省エネA | 65円 | 64円 | 57円 |
省エネB | 22円 | 21円 | 19円 |
高機能A | 97円 | 97円 | 86円 |
高機能B | 32円 | 32円 | 29円 |
技術が成熟した直下型LEDとエッジタイプLEDのバックライトパネルなので、パネルの耐久性能は安定しています。
液晶パネルの耐久年数
パネル方式 | 耐久時間 | 耐久日数換算 |
---|---|---|
液晶パネル | 6万時間前後 | 2,500日 |
これらのデータでFN2を評価します。
評価:3.0
内容的に電気代が安くて当たり前なのだ。
評価:4.0
前モデルがほとんど変化ないし、正直、消費電力は最高でも最低でもない位置づけかな。
評価:4.0
パネルのバックライト仕様の差は気になるけど、消費電力はまずまずだね。
サイズ間でバックライト方式が違うことをちゃんと明記してて好感が持てますが、前モデルとほとんど変わらない内容です。
- 倍速機能付きの液晶テレビが欲しい人
- 電気代を気にせずテレビを楽しみたい人
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4K液晶アクオス FL1シリーズの省エネ性能とパネル寿命評価
FL1のバックライト方式は直下型LEDへ統一されました。
以前のモデルではエッジ型LEDがサイズによって混在していましたが、どちらかと言うと明るさが安定する直下型LEDへ統一されたことはプラスと言えます。
パネルの統一による消費電力の変化はほぼありませんが、年間消費電力量は少しだけ改善されました。
FL1省エネ性能(1日の電気代)
生活パターン | 65v | 50v | 42v |
---|---|---|---|
省エネA | 93円 | 54円 | 56円 |
省エネB | 31円 | 18円 | 19円 |
高機能A | 140円 | 82円 | 84円 |
高機能B | 47円 | 27円 | 28円 |
技術が成熟した直下型LEDのバックライトパネルなので、パネルの耐久性能は安定しています。
液晶パネルの耐久年数
パネル方式 | 耐久時間 | 耐久日数換算 |
---|---|---|
液晶パネル | 6万時間前後 | 2,500日 |
これらのデータでFL1を評価します。
評価:3.0
当たり前だが、エントリーモデルは機能が少ないから電気を使わないのだ。
評価:4.0
さすがにアクオスの中では一番燃費がいいわね。
評価:4.0
他社のエントリーモデルと比較するとやっぱりそんなに良いわけじゃないんだよね。
エントリーモデルは本体の価格だけではなく、電気代も安くなるというメリットがありますが、アクオスの場合は?ですね。
- 最新アクオスで一番安い4K液晶テレビが欲しい人
- 電気代を気にせずテレビを楽しみたい人
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省エネ性能とパネル寿命の評価まとめ2023年モデルシャープ・アクオス
評価モデル | |||
---|---|---|---|
FS1 | 5.0 | 1.0 | 1.0 |
FQ1 | 4.0 | 1.0 | 1.0 |
EN1 | 3.0 | 4.0 | 4.0 |
EN2 | 3.0 | 4.0 | 4.0 |
EL1 | 3.0 | 4.0 | 4.0 |
この記事では2023年発売のシャープ・アクオスの省エネ性能とパネル寿命について評価を行いました。
2023年は電気料金が大幅に値上げされ、テレビの選択も機能だけでなく省エネ性能も注目すべきです。
例えば、500Wの消費電力でも電気代が10円上がれば1時間あたり5円の値上げとなり、1日10時間テレビを使用していれば年間で18,250円も出費が増えます。
機能が高ければ消費する電力量も多くなり、バランスを考えて賢くアクオスを選択しましょう。
良い買い物をして下さい♪