テレビの消費電力の基礎知識を知って省エネ家電を賢く選ぼう!

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家電を購入する際、省エネ性能や消費電力、年間消費電力量を気にしていますか?

特に液晶・有機ELテレビのように、使用時間が長い電化製品については年間の電気料金が大きく変わってきます。

ここでは、液晶・有機ELテレビを題材に、カタログ値とは違う、実際の使用場面を想定した電化製品の省エネ性能やランニングコストを解説致します。

液晶・有機ELテレビや家電の買換え前にチェックを忘れないで下さい。

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液晶・有機ELテレビ・家電製品に記載されている言葉の意味

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電気料の計算なんてメンドクサイ。って思う人も多いでしょう。

学校で習った簡単な記号ですが、大人になると仕事に関係していない限り忘れちゃってて当然。

でも、簡単におさらいすれば、カタログスペックで有利な製品を直ぐに選択出来てしまいます!

消費電力ってなに?

消費電力は「W(ワット)」で記載されています。

製品の裏面などにシールなどが貼ってあったり本体に刻印され、目にする機会は多いのではないでしょうか?

 

車で言う「排気量」みたいなもの消費電力ってなに?

車の場合、エンジンの大きさを「排気量」で表します。

軽自動車は660cc、一般的な車は1500cc~2000cc、大型車の場合は5000cc以上。

排気量が大きければ大きいほどパワーに優れますが、ガソリンの消費が大きくなる傾向があります(いわゆる燃費)。

消費電力も同じようなもので、電球などの小さいものは60W、エアコンや吸引力が大きい掃除機などは1500W~2000Wの電力を消費します。

仕事量の大きい製品はそれだけ大きな電力が必要ということですね。

車と共通するのは、いくら大飯食らいであっても、動かす時間の長さによってガソリンや電気の消費量が変わるということ。

ドライヤーなどは小さな筐体で1000Wもありますが、実際に使用する時間は短いので電気料の負担は少ないのです。

 

「W」と「kW」の違い消費電力ってなに?

これも車と同じです。

POINT‼︎

  • 車:1000cc=1L
  • 家電:1000W=1kW

1000毎の換算単位が「k(キロ)」となると言うだけです。

車は「L(リットル)」ですね。2000ccの車を2リッター車と言うことは皆さん周知の通りです。

電気代請求書の「kWh」と消費電力は違うの?

これも単純明快で、先ほどの「消費電力」について1時間(h=アワー)あたりどれだけ使ったかの値。これを「k(キロ)」換算しただけです。

例えば、1000W(1kW)のドライヤーを6分使ったとしましょう。

  • 答え】50Wh(0.05kWh)
    • 計算式=1000W (1kW)÷ 20(3分/60分)

簡単ですね。

でも、ここが大事なのできちんと覚えておいて下さい

混乱し易い「定格消費電力」

この辺りは少し蛇足ですが、知っていて損は無いので簡単に解説します。

製品裏側に貼られたシールや刻印に、「定格消費電力」という言葉が「消費電力」とは別に記載されている場合があります。

同じ意味と混同してしまいそうですね。

 

定格消費電力とは混乱し易い「定格消費電力」

定格出力とは「指定された条件下で機器類が安全に達成できる最大出力」のこと。

即ち、その製品が安全に発揮できる最大の消費電力量のことです。

例えば電球。

60Wの電球の60Wは「定格消費電力」のことを指し、実際に使用している最中は90%程度の54Wで電気を灯し続けます。

もし、最大値の60Wで灯し続け、何らかの理由で電圧が上がった場合、電球が破損することを避けるためです。

60W電球は60Wで灯し続けることが可能ですよ。

でも、少しでもそれを超えると問題が発生しますよ。

だから少し出力を落として普段は灯し続けるよ。

と言っているのです。

少し面倒な定義ですが、その製品の最大値と捉えておきましょう。

そんな訳で、実際の電気代はその値よりも低く出ます。

 

家電商品によって見方を変える混乱し易い「定格消費電力」

考え方は4つに分類できます。

  1. 常に同じ出力で使用されるものは定格消費電力と消費電力は同じ(例:電球)
  2. 電力を調整できる製品は最大値が定格消費電力(例:コタツ、トースター)
  3. 使い方次第で消費電力が大きく変わる製品は平均が定格消費電力(例:エアコン)
  4. 一年中作動、使用頻度が高い製品は年間消費電力量が記載されている(例:冷蔵庫)
先ほどの電球を例に

常に同じ仕事を続ける電化製品であれば、定格消費電力と消費電力はイコールの関係が成り立つでしょう。

しかし、

タイマー、サーモスタット、強弱スイッチで制御する製品の場合は、最大値が定格消費電力に設定されます。

一方で、

エアコンや掃除機などは自動的に電力を変化させる機能と共に、使用者の意図で強弱を変える場合もあるため常に消費電力が変化する製品。

また、

一年中作動している冷蔵庫や、使用頻度が高く使用環境によって変化するのテレビなどは年間消費電力量の目安を掲載しています。

年間消費電力量

文字通り、年間に消費される電力量のことです。

 

毎日同じ時間だけ使うものは分かり易い年間消費電力量

例えばリビングの電灯。

夕方17:00~就寝23:00までと、毎日同じ時間だけ使われる傾向にあるので年間消費電力量は簡単に計算できます。

例:100Wを毎日6時間、365日(年間)使い続けた場合の年間消費電力量

  • 答え】219kWh(年間消費電力量)
    • 計算式=100W×6時間×365日=219kWh

 

使い方次第で変化する製品には事前に年間消費電力量が記載されている年間消費電力量

液晶テレビや有機ELテレビについては、消費電力量の他に年間消費電力量が記載されています。

テレビについては、使用環境によって大きく電力消費量が変化するためですね。

年間消費電力量の計算は、家電の種類ごとに共通に定められているため、メーカーが違っても比較が可能。

但し、この定められた計算方法と実生活には乖離が生じるます。

年間消費電力量を鵜呑みにして電力料金負担を考えると痛いしっぺ返しに合う可能性も否定できません。

この辺りは非常に重要な内容なので、後半で詳しく解説致します。

電気料金(コスト)の計算方法

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電力料金(コスト)計算は、これまでの電力消費量などを理解するれば簡単に行えます。

電力料は1kWhの単価で決まる

電力会社からの請求書を見て下さい。

必ず1kW当たりの単価が記載されているはずです。

契約内容によって異なる電気代電力料は1kWhの単価で決まる

契約内容で電気代が変わるのは当たり前ですが、ここで言いたいのは、昼間、夜間、深夜などで単価が変化する場合です。

深夜発電を利用してお湯を沸かす設備を利用する場合、深夜料金はとても安い代わりに昼間の電力料が割高になります。

昼間働いている世帯ならば問題ありませんが、引退世帯や高齢世帯など、昼間も家に居る場合は細かく使用電力を確認しましょう。

電気料金(コスト)計算例

先ほどの電灯の例を流用して計算してみましょう。

1kWhの電力単価は@24.00円を想定します。

例:100Wを毎日6時間、365日(年間)使い続けた場合の年間消費電力量

  • 答え】434.00円/月
    • 年間消費電力219kWh
      計算式1=100W×6時間×365日=219kWh
    • 計算式2=219kWh×@24.00÷12ヶ月

この家庭の場合、リビング電灯の電気代は月に434円かかることが分りました。

自分の生活に置き換えて電気代は計算すべき

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電気代の計算は誰にでも出来ることが分りました。

但し、電気会社との契約内容によっては時間帯で単価が異なるので注意が必要です。

また、これから解説する「自分の生活」については更に重要。

生活環境によってはカタログ記載の年間消費電力量を大幅に上回る電気代が必要となる場合もあります。

POINT‼︎

  • 電力単価は契約内容によっては時間帯別に単価が変わる
  • 年間消費電力量と自分の生活スタイルの違いを把握する(←これから解説)

年間消費電力量の計算基準を知る

ここではテレビにおける年間消費電力量の算定基準を解説します。

テレビの年間消費電力量算定根拠

「1日のうち4.5時間テレビを見て、残りの19.5時間は待機時間」として年間消費電力量を計算しています。

なお、機器の測定状態の主な内容(抜粋)は以下の通りです。

  • 温度、湿度、電源、受信機、電力計などの範囲を明記
  • 入力信号の範囲を明記
  • 映像の節電機能はOFF
  • 映像の付加機能は全てOFF
  • 音量は50mW(スピーカーが2ヶ以上の場合は全て50mW)
  • 音声サラウンドなどの付加機能はOFF
  • BS電源はOFF(出来ない場合はONのまま)
  • 節電機能は別途評価
  • 待機消費電力は本体OFF時とリモコンOFF時を平均
  • その他細かい計算あり

 

1日4.5時間テレビを見るのか?見ないのか?年間消費電力量の計算基準を知る

年間消費電力量の計算基準については、あくまでも消費者が確認し易いための配慮であり、万人に当てはまらいのは当然です。

年間消費電力の標記と違い電気代が高い!と文句を言うのではなく、自分のライフスタイルをしっかり代入しましょう。

先ず、4.5時間はどのようなライフスタイルなのか?

毎朝、出勤前にニュースを30分見れば0.5時間が消費され、帰宅後20時から24時までテレビを視聴すればトータル4.5時間です。

休日など1日中家に居てテレビを付けてしまえばオーバーする可能性もあります。

即ち、昼間は家に居ない独身者か共働きの世帯が、テレビで言う「年間消費電力」の想定消費者でしょう。

1日中家に居て、テレビも付けっぱなしの世帯であれば、この基準を大幅に上回ることは誰にでも想定出来ます。

家庭環境によって変わるテレビの視聴時間を理解する

以下の記事でも触れましたが、年間消費電力量は家庭環境によって大きく左右されます。

なお、年間消費電力の算定基準に基づいたテレビの視聴時間は次の通りです。

  • 1週間の視聴時間合計=32時間
    (4.5時間/日)
  • 1ケ月の視聴時間合計=137時間
    (4.34週/月、52週/年で換算)
  • 1年間の視聴時間合計=1,641時間

 

共働き世帯、独身世帯家庭環境によって変わるテレビの視聴時間を理解する

共働き世帯や独身世帯では、昼間ほとんどテレビを見ません。

それでも、テレビが生活の一部として付けっぱなしていれば、年間消費電力算定根拠を軽く上回ります。

推測されるテレビの視聴時間
  • 視聴時間帯
    • 平日朝=6:00~7:00
    • 平日夜=18:00~24:00
    • 土日休日=8:00~23:00
  • 視聴時間累計
    • 1週間の視聴時間合計
      =65時間(平日7時間+休日15時間)
    • 1ケ月の視聴時間合計
      =282時間(4.34週/月、52週/年で換算)
    • 1年間の視聴時間合計
      =3,384時間

 

引退世帯、老後世帯家庭環境によって変わるテレビの視聴時間を理解する

仕事を引退した人や老後の世帯など、ほとんど家に居て、1日中テレビを見る世帯もあります。

推測されるテレビの視聴時間
  • 視聴時間帯
    • 全日=6:00~22:00
  • 視聴時間累計
    • 1週間の視聴時間合計
      =112時間
    • 1ケ月の視聴時間合計
      =486時間(4.34週/月、52週/年で換算)
    • 1年間の視聴時間合計
      =5,833時間

 

大学生やフリーター、ニートの子供が居る世帯家庭環境によって変わるテレビの視聴時間を理解する

大学生やフリーター、ニートの子供が居る世帯は、夜中にテレビを利用することが多くなります。

推測されるテレビの視聴時間
  • 視聴時間帯
    • 平日=6:00~7:00、18:00~翌日午前3:00
    • 土日休日=8:00~翌日午前3:00
  • 視聴時間累計
    • 1週間の視聴時間合計
      =88時間(平日10時間+休日19時間)
    • 1ケ月の視聴時間合計
      =382時間(4.34週/月、52週/年で換算)
    • 1年間の視聴時間合計
      =4,583時間

人気の有機ELテレビで実際の電気代をシミュレーション

有機ELテレビの中でも消費電力量が大きい、Panasonic GZ2000 65型で実際の電気代を各世帯環境別にシミュレーションしてみました。

Panasonic GZ2000 65型の電力スペック人気の有機ELテレビで実際の電気代をシミュレーション

項目消費電力量
消費電力563W
年間消費電力242kWh

シミュレーション結果人気の有機ELテレビで実際の電気代をシミュレーション

  • 電力単価=24.00円/kWh
  • 使用電気量は消費電力の70%で計算
  • カタログ値 年間消費電力はそのままで計算
世帯基準月間
視聴時間
電気料金年間
視聴時間
電気料金
年間消費電力の
算定基準
137時間1,296円1,641時間15,521円
共働き世帯
独身世帯
282時間2,667円3,384時間32,008円
引退世帯
老後世帯
486時間4,597円5,833時間55,171円
大学生やフリーター
ニートの子供が居る世帯
382時間3,613円4,583時間43,348円
カタログ値
年間消費電力
5,808円

カタログ値の年間消費電力量との乖離が際立ちます。

自動車の燃費同様、鵜呑みにはしない方が良さそうです。

なお、消費電力は定格消費電力の記載が無いため「最大値」と想定。

一般の視聴環境では省エネ性能や輝度を落とした視聴を想定し「70%」の消費電力で計算しました(カタログ値の年間消費電力はそのまま)。

カタログ値の年間消費電力との乖離についてここでは言及しません。

しかし、生活環境でランニングコストに1.7倍もの開きが生じたことは無視出来ない事実。

最新の液晶・有機ELテレビや家電を買換えする際は、他社製品との比較という面で、カタログ値の年間消費電力を参考にするのは問題ありません。

但し、実際に家庭で使用する際のコスト算定は別途行う必要があります。

 

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