2020年2月末発売の東芝レグザZ740X。何故、今までこの機種を評価しなかったのか?
それは、このZ740Xに搭載された「クラウドAI機能」について、実際の運用が6月以降になることが大きな要因でした。
また、価格の変動や実機確認を行うには数ヶ月要すため、実際に購入する立場となって評価/分析するには発売直後では行えません。
東芝液晶テレビの最高峰であるZシリーズは長年「IPS液晶」を採用していたが、前機種では65型がVAパネルに変更された。
どうして今更VAパネルなのか?
この疑問、最新機種のZ740Xでは全てのサイズでVAパネルに変更されたことがその答えとなるのでしょう。
ここでは、TOSHIBA REGZA 液晶テレビで最高峰の「Z740X」について、4回に分けじっくりと評価し解説致します。
第1回目は「Z740Xのセールスポイント」を徹底分析!
価格よりも機能を重視
こだわり派
価格がいくら高くても、こだわりの機能には絶対に妥協をしないのだ。
機能と価格のバランスを重視
リーズナブル派
自分の生活にマッチした買い物に拘り、価格に見合わない製品は絶対に購入しないわ。
機能そこそこで価格を重視
コスト重視派
価格が安ければ多少機能が劣っても構わない。一般家庭でハイスペックは不要だね。
前モデルのZ730Xとの違いと共に、Z740Xのセールスポイントがどこにあるのか?しっかりと理解しておきたいところです。
4K液晶テレビ 東芝レグザ Z740X とは
項目 | 内容 |
---|---|
モデル | 2020春(20'2月)※ |
シリーズ | レグザZ740X |
分類 | 4K液晶テレビ |
サイズ展開 | 65v/55v50v |
東芝レグザZ740XはZ730Xから進化したTOSHIBA(東芝)液晶テレビの最高峰に位置する機種。
そして、2020年度では各社の4Kチューナー内蔵液晶テレビハイエンド機の先人を切って、最も早く発売された製品です。
4K液晶テレビ 東芝レグザ Z740X のセールスポイント
- レグザエンジン Cloud PRO
- レグザ重低音バズーカオーディオシステム PRO
- 放送済みの番組をいつでも見られる「タイムシフトマシン」
東芝レグザのハイエンド液晶テレビ言えば、もはや代名詞とも言える音の「バズーカー」と録画の「タイムシフト」です。
Z740Xも無論そのDNAを受け継ぎ、新しい映像エンジンと共に更に進化を遂げました。
1.レグザエンジン Cloud PRO
Z740Xの最も大きな進化点はこの新しい映像エンジンと言えます。最早4K放送のダブルチューナーは当たり前の中、大容量の映像データでどれだけ美しく表現できるのか?これが新東芝レグザのテーマでしょう。
「大容量の映像データで美しく表現」って、一体どう言うことなの?
4Kテレビが以前のFHDと比較して映像精度が4倍の画素数であり、それ故に映像が美しいことはご存知の通りです。このデータを忠実に表現できることがテレビの「質」ということになりますね。
同じデータなのに4Kテレビよって映りに違いが出るのは「質」の差か・・・。高いテレビはそれなりの技術を使用してるんだね。
そう、例えるなら画家のデッサン力の差です。そして、その忠実なデッサン力を根底に、ジャンルやコンテンツ、ネット動画などに最も適した高画質処理を行うのが「レグザエンジン Cloud PRO」の役目なのです。
可愛いアナウンサーがピカソの絵みたいな顔に変わって映されるのだ(笑)。
そんな訳ないでしょ・・・。
映っているものの事実はそのままに、コントラストや質感などが映像調整されるんですよ。
どうやってそんなことが出来るんだろう?
クラウドとAIの融合です。
クラウドとは外部のデータサーバーのことで、東芝は専用のクラウドに映像データを蓄積し、学習したAIがシーンに合わせた最適な高画質化処理を行う訳ですね。
ワクワクするね〜。当然デメリットも無く、無料なんだよね?
有料とはアナウンスされていないので多分無料です。ただし、クラウドへの接続はネット環境が必ず必要になるので注意!また、クラウドとの連携は2020年6月からなので、真価は自身の目で確かめましょう。
「最適化」と言っても、必ずしも万人受けするとは限りません。でも、地デジが美しいREGZAなので期待できます。
ハードディスクを強化して裏録に備えましょう♪
東芝レグザに対応するHDD情報は「HDD【2020版】東芝レグザ & ハイセンスにおすすめのテレビ録画用外付けハードディスク」をご覧下さい!!
2.リアルなサウンドと重低音を実現
前機種のZ730Xとは紹介画像が相違しますが、内容は全く同じスピーカーです。それだけ完成度が高く、80Wの大出力は同一カテゴリーの機種では秀逸なのは間違いありません。
音質チューニングでよりクリアーなサウンドに仕上がっています。
全体的に薄っぺらい音になる薄型テレビのスピーカーの中で、唯一レグザのバズーカだけは頑張ってる感じがするね。
Z730Xからウーハーのボテっと感が無くなったし、消費者を煙に巻く訳のわからない変更よりそのままの方が安心するわ。
東芝レグザの液晶テレビ、Zシリーズのスピーカーはいつも羨ましい内容なのだ。でも、ドルビーアトモス非対応なのは相変わらず残念なのだ。
そうですね、アトモス対応なら完璧かも?でも、他社のアトモス対応テレビで感動を覚えましたか?何かまだ中途半端な感じは否めないので、これはこれで良いと思います。
アトモスに近い臨場感なら、REGZA純正のシアターバーでも味わえます。
ドルビーアトモス(Dolby Atmos)
ドルビーアトモス を簡単に簡単に説明すると、従来のサラウンドが横方向のみに広がりを感じるのに対し、縦(頭上)の広がりをプラスした音声フォーマット技術です。
Panasonic VIERAの売りが、この天井から音が降るような感覚を再現するために設置した「イネーブルドスピーカー」。
Panasonicのサイトでも音の臨場感を再現した映像が確認できます。
しかし、デモ映像を実機で確認しても、実は驚くような臨場感は感じられないというのが事実。
テレビとの距離や環境で再現性は変わってくるので注意が必要でしょう。
最も身近にアトモスの凄さを感じられるのが「MacBook Pro」など、スピーカーシステムが秀逸なPCかもしれません。
音場が近いので、包み込むような3D音が体験できます。イネーブルドスピーカーの無い、音声フォーマットだけなのに驚きです。
機会があれば、ネットの繋がっている量販店のMacBook Proで、YouTubeにあるアトモスのデモ映像を視聴してみて下さい。
確かに凄い技術であることが分かります。
評価:3.0
ドルビーアトモスを採用しないところが減点なのだ。ちっとも進化しないのだ。
評価:3.0
クラス最高水準のスピーカーであることは認めてるけど、その分電気代が気になることには変わりないわ。
評価:3.0
嬉しい装備だけどオーバスペック感については変わらない印象。同じく電気代が気になりま〜す。
大型テレビの画面って直ぐに汚れます。
更に音質を良くするならサブウーファーで低音強化!
3.タイムシフトマシン
3つ目のセールスポイントは毎度お馴染みの「タイムシフトマシン」。REGZA高級機種の代名詞ですね。
バズーカスピーカ同様、こちらも大きな変更はありません。
これだけREGZAの顔として周知されると、今更便利さを話しても始まらないわね。前機種からの変更は無いけど、REGZAは新機種になる度に応答速度が上がったりするから地味な進化に期待しちゃうわ。
いつものように、遡れる時間を一応書いといたら?
No. | 録画時間 | 週合計 | 2TB | 3TB | 4TB |
---|---|---|---|---|---|
① | 平日:19時~25時 土日:08時~25時 | 64時間 | 約3~5日間 | 約6日間 | 約8~10日間 |
② | 平日:12時~25時 土日:08時~25時 | 99時間 | 約2~3日間 | 約4日間 | 約5~6日間 |
③ | 毎日:08時~25時 | 119時間 | 約2日間 | 約3日間 | 約5日間 |
④ | 毎日:12時~25時 | 91時間 | 約3日間 | 約4日間 | 約6日間 |
⑤ | 毎日:19時~25時 | 42時間 | 約7日間 | 約10日間 | 約14日間 |
⑥ | 毎日:24時間稼働 | 168時間 | 約1日間 | 約2日間 | 約3日間 |
公式にはこんな感じですね。⑥番を見れば分かりますが、丸一日6つのチャンネルを録画し続けて、4TBのHDで3日前まで遡れます。
普通は24時間録画してる人は居ないでしょう?知り合いは⑤番のパターンで、ゴールデンタイムの見逃しを防いでるみたいよ。
実は増設用のUSB端子があるので、更に録画時間を延ばせるのも魅力です。
純正ハードディスク(HD)「D3シリーズ」は1台でタイムシフトマシンも通常録画も両方楽しめます。
タイムシフトマシン用またはタイムシフトマシン増設用にぴったり!もちろん通常録画用としても使える「V3シリーズ」。
タイムシフトマシンに対応するHDD情報は「東芝レグザ & ハイセンスにおすすめのテレビ録画用外付けハードディスク」をご覧下さい!!
評価:5.0
有機EL派のわしだが、テレビ番組の見逃しが無くなるこのシステムは、REGZAで最も優れた技術だと思うのだ。
評価:5.0
引き続きZ740Xでも採用されていて良かったわ。これが無くちゃREGZAとは言えないわ。
評価:5.0
人気のシステムが安い液晶テレビに付いているのは、高評価にするしかないね。引き続きコスパが高いことは確かだ。
番外:パネル方式の変更
これ、大事なことなので番外にて少し触れておきます。
東芝サイドではZ740Xのセールスポイントとして触れていませんが、パネル方式が「IPS」から「VA」へ変更となっています。
高画質化措置であれば当然セールスポイントとして触れるはずですが、カタログスペックのパネル方式には「4K液晶」としか書かれていません。
かねてより、真っ白の場面でパネル背後のLEDがオセロ模様のように浮き出すことが問題となっていました。
もしかしたらその対策が行われたのかもしれません。
真偽は不明ですが、IPSパネルの方が鮮やかで万事受けしやすく一般家庭向け。
一方でVAパネルはコントラスト表現が秀逸な反面、視野角が劣るため若干マニア向けという印象が強いのです。
実際の映像を見比べると、印象通り鮮やかなZ730X、落ち着いたZ740Xでした。
しかし、懸念の視野角については対策が施されているのか?
昔のVAパネルとは違い、IPSパネルと大差ない見やすさでしたが、この点は自身の目で確かめることをお勧めします。
真下に有機ELテレビがあり、比べれば画質の差はあるものの、総じて色合いはかなり美しく、クラウド化によって更なる進化が期待できる出来だと感じました。
VAパネル化に伴い、表面もよりノングレアに近い処理を行っており、反射抑制を施した結果、鮮やかさが若干ではあるが犠牲になっている印象。
家庭の中で使用すれば「慣れ」で違いは麻痺するし、長く使うなら反射は少ない方がきっと幸せになるでしょう。
見やすいテレビスタンドを選択することも重要です。
4K液晶テレビ 東芝レグザ Z740Xの受賞歴
4K液晶テレビ TOSHIBA REGZA Z740Xは、AV機器を専門家が評価する「VGP」より、2020年夏も高い評価を受けました。
残念ながらディスプレイ部門の金賞は逃しましたが、各サイズとも入賞を果たしています。
なお、もう一つの評価団体として有名な「Hivi」については、新型コロナウイルスの影響で2020年夏のディスプレイ部門の選考は中止。
音元出版「PHILE WEB」主催のAVアワード≫VGP
1987年にスタートした国内最大級を誇るオーディオビジュアル機器の総合アワードです。プロが選んだベストセラー間違いなしのアイテムだけが、受賞の栄誉を勝ち獲ることができます。
ONGEN PUBLISHING CO.,LTD
AV専門誌「HiVi」によるアワード≫HiVi
登場したばかりのモデルを含め、現在市場に流通しているAV製品をジャンル、価格帯別に分類して真のお買い得モデル=「ベストバイ」製品を選出することが本企画の趣旨である。
Stereo Sound Publishing Inc.
AV=オーディオビジュアル
2020 SUMMER(2020年度「夏」)
2020年夏モデルは、発売の遅れたパナソニック以外のメーカーによる争い。
東芝レグザZ740XはVGPの「企画賞」と「技術賞」を受賞した高画質技術を背景に、各サイズともディスプレイ部門で高評価を受けました。
VGPの評価
受賞 | 受賞内容 |
---|---|
技術賞 | 有機ELテレビおよび液晶テレビシリーズに搭載された、AIを活用した高画質技術に対して。 |
企画賞 | 「ネット動画ビューティPRO」ノイズを抑えて精細感を高める、ネット動画に特化した映像処理技術に対して。 |
受賞 | 4K液晶テレビ-ディスプレイ部門 65Z740X/60型以上70型未満 55Z740X/55型以上60型未満 50Z740X/45型以上50型未満 |
Hiviの評価
評価なし。
2020 WINTER(2020年度「冬」~2021年度)
VGPの評価
受賞 | 受賞理由 |
---|---|
受賞 | 4K液晶テレビ-ディスプレイ部門 65Z740X/60型以上70型未満 55Z740X/55型以上60型未満 50Z740X/45型以上50型未満 |
Hiviの評価
受賞 | 受賞理由 |
---|---|
3位 | 65Z740X/ディスプレイ部門Ⅲ(液晶、61型以上) 55Z740X/ディスプレイ部門Ⅱ(液晶、51型以上60型以下) |
5位 | 50Z740X/ディスプレイ部門Ⅰ(液晶、50型以下) |
4K液晶テレビ Z740Xの「セールスポイント」総合評価
では、これまで確認したZ740Xのセールスポイントについて総合評価を行ってもらいましょう。
前機種のZ730Xを上回る期待評価ですね。引続き設置スペースなどの「視聴環境」について評価しましょう。以下のリンクから移動してください。
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