ソニーブラビア 液晶テレビ X8550Hの徹底評価。
前回のセールスポイントに引続き、2回目の今回は視聴環境の点から評価を行います。
価格よりも機能を重視
こだわり派
価格がいくら高くても、こだわりの機能には絶対に妥協をしないのだ。
機能と価格のバランスを重視
リーズナブル派
自分の生活にマッチした買い物に拘り、価格に見合わない製品は絶対に購入しないわ。
機能そこそこで価格を重視
コスト重視派
価格が安ければ多少機能が劣っても構わない。一般家庭でハイスペックは不要だね。
では、各人の趣向を踏まえてこの製品を評価して行きましょう♪
4K液晶テレビ ソニーブラビア X8550H おすすめの「視聴環境」
X8000Hと同様の内容となりますが、X8550Hは液晶テレビです。
一般的な家庭で正面から視聴する分にはパネル反射の問題などは気にする必要は無いでしょう。
スペック的にも反射対策について特別謳っていないため、従来通りハーフグレア的な対策は行っています。
但し、輝度の面についてはハイエンド機並とは行かないので、自宅の視聴環境を十分確認して下さい。
ほとんどの家庭では最大輝度で視聴することはありませんが、もし、そのような環境下なら視聴時に注意深く観察し、他製品と比較することをお勧めします。
更にもう一つの認識事項!
ソニーの液晶テレビと言えば頑なに「VAパネル」を採用していることで有名です。
しかし、4K液晶テレビ ブラビアX8550Hは「IPSパネル」を採用。
ちょっとだけソニーらしさの無い製品ですが、視聴環境を評価して行きましょう。
と、ここまではX8000Hとほぼ同じ内容ですが、実は視聴環境で大きな違いが一つ。
それはX8550Hのパネルが「モーションフローXR240」を搭載する「倍速駆動パネル」ということです。
X8000Hと比較すると、スポーツ観戦など早い動きが観やすくなってることが大きな優位点と言えるでしょう。
- X8550Hは液晶テレビなので明るい部屋でも見やすい
- X8550HはIPSパネルなので視野角は安心
- X8550Hは倍速駆動パネルなので早い動きが観やすい
X8550Hに搭載のIPSパネルとVAパネルの違いについて
※VAパネルに関する解説は、最後のコメント以外はX8000Hと同じです。
有機ELテレビと比較して、LEDバックライトの液晶テレビは一般の視聴環境では見やすさの面でメリットが上回ります。
一方で、視野角、コントラストなどは有機ELテレビ が上回ります。
これら、液晶テレビ のデメリット同時に克服できる液晶パネルはないため、そのれぞれの弱点を緩和するパネルを好みで選択するしかありません。
視野角が狭いという弱点を克服したIPS液晶パネル
視野角の狭さは液晶パネルの弱点として当たり前となっていました。
正面からの視認性は問題無くても、横からの視認性は暗く見難くなるという弱点を克服したのが「IPS液晶パネル」です。
IPS液晶パネルの登場で、家族が集まるリビングなど、全員が正面から視認できないシチュエーションでも綺麗な映像を見ることが可能となりました。
しかし、鮮やかな映像となる一方、黒の白浮きが出るためコントラストは犠牲になったのです。
とは言え、日本国内の視聴環境では最も適したパネルであることは間違いありません。
発売当初は高級品でしたが、一時はほんどのハイエンド液晶テレビがIPS液晶パネルを採用していました。
しかし、今期より東芝Z740Xは全てVAパネル化され、VAパネルの歴史が長いSONYの優位性が際立ち始めました。
なお、IPSパネルは有機ELテレビとほぼ同じ視野角ですが、有機ELの領域までは至っていません。
- 鮮やかかつ優れた色再現
- 視野角が広い(ほぼ有機EL並)
- 遮光性が低い(黒がボケる)
- コストが高め
深いコントラスト表現のVA液晶パネル
VA液晶パネルはIPS液晶パネルの弱点である「コントラスト」に強みがあります。しかし、視野角が狭いのが弱点。
有機ELテレビが発売される以前より、コントラストの高さからマニア向けの機種に搭載されることが多かったのが特徴。
ソニーはこだわりを持って「VA液晶パネル」を以前から採用しています。
ちなみに、コントラストのレベルを数値化すると以下の表になります。
パネル方式 | 白の明るさ | 黒の明るさ |
---|---|---|
有機ELパネル | 1,000,000 | 1 |
VAパネル | 5,000 | 1 |
IPSパネル | 2,000 | 1 |
結局はコントラストでも有機ELには遠く及ばないのが液晶パネルということになりますね。
- 遮光性が高く黒の表現が秀逸
(コントラストが高い)
- 視野角が狭い
- 色再現に偏りが生じやすい
VA液晶パネルの視野角の狭さを改善したソニー
視野角の狭さとコントラストの低さを同時にクリアーした液晶パネルは無いと書きました。
しかし、ソニーはこの問題を前モデルのハイエンド機であるX9500Gで緩和しています(※85型と75型のみ)。
簡単に書くと、LEDバックライトの光を制御し、全ての方向からの見やすさを改善する施策を投じたのです。
※最新のX9500Hでは49型以外全てのサイズに展開(75型、65型、55型)
エックス ワイド アングル(X-Wide Angle)
X8550HはIPSパネルなので関係のない技術ですが、ソニーのVAパネルはIPSパネルに劣らない視野角を実現していることをご理解下さい。
個人的には廉価機種ほど、VAパネルは色が薄く、IPSパネルは少しギラつくと感じます。この辺りは好みや感じ方に差が出ますので、必ず自身で確認をしましょう。
中途半端な位置付けであるX8550Hの比較対象は、各社の廉価機種が最適でしょう。廉価機種のX8000Hとは倍速対応以外、ほぼ何も変わらないからです。
- X8550HはIPSパネルの強みと弱みがある
- 位置付けが微妙なX8550Hは他社の廉価機種を比較対象とする
- ソニーはVAパネルの弱点を克服しつつある
テレビサイズの選び方
4K液晶テレビのソニーブラビアX8550Hのサイズバリエーションはシンプルに55型と65型の二つ。
前モデルのX8550Gで展開されていた「75型」は未発表。
なお、43型と49型の小さいサイズは「X8500H」として展開されています。
一つのバリエーションで幅広くサイズ展開を行う機種もありますが、細かい所で小型サイズは内容が違ってくるんですよね。
特にセールスポイントの機能が無かったりと、この様に品番を分ける方分かりやすいかもしれません(人それぞれ?)。
まあ、どうでも良いことはさておき、サイズ選びの基本は知っておいて損は無いので、主な視聴ソース(4K or HD)を基準に一般的な解釈を解説します。
視聴距離 | 4K | フルHD |
---|---|---|
200cm (6畳) | 100型 (インチ) | 52型 (インチ) |
350cm (8畳) | 190型 (インチ) | 94型 (インチ) |
- 地デジ放送メインの狭い部屋であれば「55型以下」を視野に
- それ以外の場合は「65型」がおすすめ(予算次第)
65型までしか無いのなら、有機ELテレビを選ぶに決まっているのだ。
視聴距離と画面サイズの記事はこちらから‼
4K液晶テレビ ソニーブラビア X8550H おすすめの「設置スペース」
ソニーブラビア X8550H を設置する際に必要となる理想的なスペースを解説します。
KJ-55X8550H(55型)
X8550H 55型(インチ)の重量
総重量 | 本体のみ | 卓上スタンドのみ |
---|---|---|
19.7㎏ | 18.7㎏ | 1.0㎏ |
X8550H 55型(インチ) テレビ本体の必要スペース
理想的な 横幅 | 理想的な 縦幅 | 理想的な 奥行き |
---|---|---|
1,250㎜ (125㎝) | 800㎜ (80㎝) | 400㎜ (40㎝) |
X8550H 55型(インチ) テレビ台のサイズ
理想的な 横幅 | 理想的な 高さ | 理想的な 奥行き | 耐荷重 |
---|---|---|---|
1,800㎜ 以上 (180㎝) | 360~450㎜ 範囲 (36~45㎝) | 450㎜ 以上 (45㎝) | 25㎏ 以上 |
面白いことに55型のブラビアX8550Hの重量は、同じ液晶ブラビアのハイエンド機であるX9500Hより重い。
東芝レグザのハイエンド機Z740Xとほぼ同じで、今期、かなりの重量増となったパナソニックの液晶最新機種よりは大分軽いという内容。
同じソニーで有機ELテレビを視野に入れても、最新モデルとはほぼ同じ重量なのだ。
とは言え、驚くほどの重さではないので、頭の片隅にこの事実を置いて、テレビスタンドや壁掛けの検討を行えば問題無いでしょう。
KJ-65X8550H(65型)
X8550H 65型(インチ)の重量
総重量 | 本体のみ | 卓上スタンドのみ |
---|---|---|
26.3㎏ | 25.3㎏ | 1.0㎏ |
X8550H 65型(インチ) テレビ本体の必要スペース
理想的な 横幅 | 理想的な 縦幅 | 理想的な 奥行き |
---|---|---|
1,500㎜ (150㎝) | 1000㎜ (100㎝) | 400㎜ (40㎝) |
X8550H 65型(インチ) テレビ台のサイズ
理想的な 横幅 | 理想的な 縦幅 | 理想的な 奥行き | 耐荷重 |
---|---|---|---|
2,700㎜ 以上 (270㎝) | 360~450㎜ 範囲 (36~45㎝) | 450㎜ 以上 (45㎝) | 30㎏ 以上 |
65型のブラビアX8550Hも55型同様の重量水準です。
それでも、テレビ台的には耐荷重30kg以上あれば十分なので、置き場所を選ぶということはありません。
それよりも、ソニーで最も気を付けるべきは「テレビの脚部」です。
省スペース設計ではなく、ワイドタイプなのでテレビ台は余裕を持ったサイズを選ぶようにしましょう。
詳しくは次項で解説します。
X8550Hを理想的な高さで視聴できるテレビ台
ここでは、ブラビアX8550Hを最適な高さに関する理由と、理想的な高さで視聴するためのテレビ台の高さに言及します。
上図は、一般家庭でテレビを視聴するパターン別に、テレビサイズ毎に目線の高さをイメージした内容です。
視点の高さから左下の様にテレビ台やテレビスタンドの数値を算出していますが、基本は座椅子の高さを目線の中心線に置けば大抵のパターンに当てはまるのが分かるでしょう。
この図を参考に、X8550Hにマッチする理想的な視聴高さを探ります。
X8550Hのテレビ台を選ぶ際の注意点
最適なテレビ台のサイズについて結論を出す前に、ソニー4K液晶ブラビア X8550Hを設置する際の注意点を確認しましょう。
ブラビアX8550H 卓上スタンドの特殊性
X8550Hはソニーのデザインを踏襲し、スタンドの幅が広いタイプであることを先ずは認識しましょう。
テレビ台を使用する場合は「置き場所を選ぶ」機種なのね。
65型で解説した通りです。
ブラビアX8550Hの卓上スタンド重量
液晶の中では決して軽量タイプとは言えないものの、気にするほどの重さではありません。
耐荷重的にはどんな感じかな?
65型でも30kg以上の耐荷重があれば対応可能です。購入を検討している人は重量よりも設置面の幅を気にすることが肝要でしょう。
でも既存のテレビ台を流用する人は、一応耐荷重は気にしてね。
CHECK!
- ディスプレイ(ベゼル)下部まで60mm前後の高さがあることを考慮
- 設置幅が気になる幅広タイプ
ブラビアX8550Hとテレビ台の相性
既出ですが、X8550Hの場合気にするのは重量よりも卓上スタンドの幅ですね。
基本的には画面の幅よりも広いテレビ台を選べば間違い無いわ。
参考までに比較的リーズナブルなテレビ台を紹介しています。
X8550Hでブラウン管テレビ用の台を流用する際はこちらを注意!
卓上スタンドの幅が広いので、事前にサイズを確認しないとね。
CHECK!
- 卓上テレビスタンドの脚がきちんと設置出来ること
- 転倒防止対策が行えること
コスト優先で選択するなら(最大65型)
- 高さ28.2㎝でほぼ全サイズで最適な視聴高さを実現可能
- 人気商品なのでクチコミ多数
- 高級感が薄い
高さ調整可能で安心の朝日木材加工(最大65型)
- 31.8㎝と43.8㎝の2つの高さが選べほぼ全サイズで最適な視聴高さを実現可能
- 一部の色をおしゃれに変えられる
- 耐荷重に注意
最大77型まで対応可能な朝日木材加工のローボード
- 高さ31.8㎝でほぼ全サイズで最適な視聴高さを実現可能
- サイズは幅80㎝から177㎝まで6バリエーション
- 超大型テレビについては卓上スタンドの奥行きに注意
X8550Hを理想的な高さで視聴できるテレビスタンド
基本的な考え方はテレビ台選びと同じです。
しかし、テレビスタンドの場合は「壁掛け」同様にテレビスタンドを接続するテレビ本体のVERSAというネジ位置が高さに影響を与えます。
ただ単に台の上に置くだけなら簡単ですが、テレビスタンドの場合、接続位置を確認するだけでは接続後のテレビ画面のセンター位置は分かりません。
各機種の各サイズでVESA位置が異なるため、テレビスタンドの選定は少し複雑なことを先ずは理解しましょう。
ブラビアX8550Hとテレビスタンドの相性
ソニーブラビアX8550Hのサイズバリエーションは65/55型の2種類で、サイズによって適合するテレビスタンドの種類が変わります。
特にテレビスタンドを本体を設置した際、最も汎用性の高いセンター位置「80cm」になる製品は限られます。
機種情報やデザインに惑わされず、最適な視聴高さとなるテレビスタンドを選びましょう。
ブラビアX8550Hはテレビスタンド使用時の視点がサイズ次第で変化
X8550Hをテレビスタンドに設置する際に必要となるVESA位置は、ややセンター位置より低くなる傾向にあります。
どんな影響があるの?
設置位置がイメージより上側になります。その影響が大画面ほど如実に現れます。
低く設置可能なテレビスタンドを選ぶ必要があるんだね。
でも大丈夫です。以下に紹介するテレビスタンドなら最適な視聴高さを維持できますよ。
言わずと知れたハヤミ最高の家庭用テレビスタンド。面白いのは下方向であれば無段階に調整が可能で、110㎝前後から50㎝前後の幅広い調整が可能。総耐荷重も100kgと最高水準のレベルで安心ですね。
テレビスタンド欲しかったけど、何が適合するか分からなかったんだ。こうやって適合する最適な製品を紹介されると選びやすいね。
テレビスタンドの選び方については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にして下さい。
失敗しない「テレビスタンド」の選び方~7つの重要ポイントを解説
また、X8550Hに最適なおすすめのテレビスタンド情報はこちらを見れば全て分かります。
ブラビア純正テレビスタンドという選択肢
ソニーブラビアは、純正で壁に穴を開けることなく設置できる壁寄せタイプのテレビスタンドも用意されています。
高級感があるし、家の壁に穴を開けないのが良いのだ。
10万円以上するカデンツァ製のオリジナルAVラックなので高級感はバッチリです。ソニーストアで販売されているので、気になる方は調べてみましょう。
ソニーブラビア X8550H 設置スペースの最終評価
それでは、ソニーブラビア X8550Hの設置スペースに関して最終評価を行って下さい。
評価:5.0
まあ、こんなものなのだ。
評価:2.5
やっぱりソニーは卓上スタンドの形状が少し気になるわ・・・。
評価:2.5
ブラウン管のテレビ台を流用してる僕は、ソニー全般だけど、X8550Hの卓上スタンドでは設置できないんだよね。
テレビ台、テレビスタンド選びは「おしゃれでおすすめなテレビ台選びで最も重要な基礎知識を忘れていませんか?」で書いた通り耐荷重性能が重要です。
4K液晶テレビ ソニーブラビア X8550Hの「視聴環境」総合評価
では、これまで確認したソニーブラビア X8550H の視聴環境について総合評価を行ってもらいましょう。
評価:3.8
液晶テレビについてはどれも同じ得点なのだ。わしのレベルになると特に大きな違いは感じられないのだ。
評価:3.3
下位モデルのX8000Hとの違いは倍速対応だけど、点数的に差は微々たるものと感じてるわ。根本的な仕様は同じですものね。あとは価格次第かしら?
評価:3.3
ソニーの卓上スタンドの形状は合わないね。貧乏人はテレビ台は流用って決まってるんだ。あっ!ソニーを買い続ければ同じことか?
下位モデルX8000Hとの大きない違いは「倍速対応」でしたが、特に大きな加点とはなっていないようです。それよりも、「卓上スタンド(脚)のデザイン」で好き嫌いがハッキリ出ました。
次は前作から特に進化が無いという「機能」について評価しましょう。以下のリンクから移動して下さい。
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ソニーブラビア関連の情報はこちら